週刊文春 電子版

野田聖子 元暴力団員の夫が小誌に「出版差し止め」

「次の総理」ここが危ない!

「週刊文春」編集部

PICKUP!

ニュース 社会 政治

〈早急に東京地方裁判所に本件雑誌の出版禁止の仮処分を申し立てる予定です〉

 9月8日昼1時32分、小誌編集部に届いた一通の「通知書」。送り主は、次の“ファーストジェントルマン”候補だった。

 推薦人20人を初めて確保し、総裁選に挑む野田聖子幹事長代行(61)。推薦人の一人、元夫の鶴保庸介参院議員は「前々から、ずーっと頼まれていた」と明かす。彼女が出馬に際して掲げたのは「透明な政治の確立」。安倍昭恵夫人の関与が指摘され、公文書の改ざんも招いた森友問題も再調査を明言した。

推薦人20人中8人が二階派

 だが、翻って自身の夫・文信氏の過去を巡る問題に関しては、どうなのか。

 小誌は18年8月2日号で、文信氏が会津小鉄会傘下の「昌山組」に所属する暴力団員だったことなどを報じた。文信氏は事実無根として提訴したが、東京地裁は今年3月、暴力団員だった点について真実相当性があるとする判決を下している(文信氏は控訴、小誌も一部を不服として控訴)。

 今回、野田氏の総裁選出馬宣言を受け、小誌は9月9日発売号で改めて決定的な証拠を報道。それが、警察庁の文書〈暴力団個人ファイル〉だ。文信氏について、こう明記されていた。

〈元会津小鉄会昌山組幹事〉

 暴力団への厳しい監視は野田氏ら国会議員が可決した暴力団対策法に基づき、政府が強く推し進めてきた。その政府内で、文信氏が暴力団員だった事実が共有されていたのである。

夫・文信氏は7歳年下

 しかし、野田氏は取材に「引き続き夫を信じております」と回答。森友問題への対応とは裏腹に、夫の言葉を理由に政府内の文書を真っ向から否定したのだ。

 それだけではない――。

 雑誌発売前日、文信氏側から送られてきたのは、冒頭のような「通知書」。それによれば、暴力団個人ファイルは〈出所も不明な怪文書〉であり、〈元暴力団員として記録されているという事実が真実と認められる余地はありません〉。そして、約2時間後の昼3時半、実際に〈出版禁止仮処分申立書〉が送られてきたのだった。すなわち「出版差し止め」の要求である。

小誌に届いた「出版禁止仮処分申立書」

 結局、同じ日の夕方5時12分、文信氏の代理人から、小誌の顧問弁護士に仮処分申し立てを取り下げると連絡が入ったのだった。

 2日後の9月10日には、野田氏はブログで、警察庁文書を〈全く相手にされなかった怪文書〉などとし、夫は元暴力団員ではないと重ねて強調している。

 差し止めは事前検閲に当たり、国民の知る権利を蔑ろにしかねないと指摘される。最高権力者を目指す野田氏は、夫に関する報道の封殺に加担しているのか。

 野田氏の回答。

「(差し止めの指示などの)事実はございません」

 かつて菅氏は加計問題を巡り、文科省の内部文書を「怪文書」とし、無かったことにしようとした。そうした安倍・菅政権の姿勢を「説明責任を果たしていない」と批判する野田氏。だが、その言葉は自らにも深く突き刺さってくるはずだ。

source : 週刊文春 2021年9月30日号

文春リークス
閉じる