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横浜小4女児誘拐38歳犯人はワイセツ保育士だった

「週刊文春」編集部
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送検される大竹容疑者 ©共同通信社
送検される大竹容疑者 ©共同通信社

 9月5日午前3時過ぎ、東京都葛飾区の静まり返った住宅街。周辺で待機していた警察官たちが、自宅から出て車に乗り込もうとする細身の男をめがけ、一斉に走り出した。小学4年生の女児(9)を2日間以上連れ回していた、大竹晃史(あきひと)容疑者(38)の逮捕の瞬間だ。

◆ ◆ ◆

 捜査員が駆け寄ると、女児は後部座席に怯えるようにして座っていたという。神奈川県警担当記者が話す。

「女児が横浜市青葉区内で行方不明になったのが2日夕方。自宅近くの公園で遊んでいた女児は、友達に『これから東京の友達と会う』と話していた。女児は親から借りたスマートフォンで、オンラインゲームの通信機能を通じて大竹とやり取りをしていました」

 路上で女児を車に乗せた大竹が向かった先は、約50キロ離れた葛飾区内の一人暮らしの一軒家。表札はなく、インターホンは壊れ、中には鏡もないという。

 ゲームの音声会話機能を使い、「一緒にゲームをしよう」と誘い出した大竹。40近い男がなぜ、9歳の女児と打ち解けられたのか。

「実は彼、保育園に勤務する保育士だったんです」

 こう明かすのは大竹の元同僚だ。大竹は以前、自宅から約5キロ離れた葛飾区内の保育園に勤めていた。

 保護者の一人が語る。

「子どもたちからは『アキ先生』って呼ばれていて、男の子も女の子も分け隔てなく接してくれる感じでした。当初は自分の担任を持っていたのですが、途中から『男手が少ないので、力仕事をしてもらえれば』と担任を外れ、保育園全体のサポートをしていると聞いてました。子どもたちには『家ではいつもゲームをしている』『親が金持ちなので働かなくても食べていける』と話していたそうです」

1歳児をクローゼットに

大竹容疑者が女児を連れ込んだ自宅
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 元同僚が職場での印象を振り返る。

「彼は2年半前に採用されましたが、その前は引きこもりだったと聞きました。ピアノが得意で、機嫌がいいときは楽しい先生ですが、気分のオンオフが激しかった。怒ると手が付けられなくなり、子どもの前でも平気で怒鳴る。1歳児をクローゼットに閉じ込めていたこともあり、保育室に一人にはしておけなかったです。また、書類の処理が苦手で、『残業させてくれ』がお決まりのフレーズでした」

 そして大竹は、園内である“トラブル”を起こす。

「昨年の初夏、彼がトイレで子どもにワイセツな行為をしたという疑いが保護者から出ました。子どもの安全を守る必要があるため、保育士ら数名が園を運営する会社の本部や児童相談所、区役所にも相談しましたが、結局、会社は『証拠や緊急性がない』と積極的に調べなかった。会社への不信感が高まって何人もの保育士が退職し、大竹も昨年11月に辞めました」(同前)

 大竹の自宅近くに住む母親を訪ねると、「保育園を辞めているとは知らなかった」と泣きながら語った。

「晃史は人間関係が下手で、職場でも『うまくいっていない』というのはチョロっと聞いていました。あの子なりの理論があって、私ともなかなか言葉が通じない。6、7年前から家庭内暴力みたいなのがあり、離れて暮らさなきゃいけなかった。職場の人たちも色々苦労することがあったと思います」

 保育園の運営会社は人材派遣や学童保育事業も手がける上場企業だ。同社に事実関係を問うと、「(大竹の)園児との接し方について保護者より問い合わせがあったのは事実です。詳細な聞き取りをしましたが、問い合わせの内容について事実を会社として確認することはできませんでした」と回答した。

 元同僚は「もし当時しっかり対応していれば、今回の事件は起きなかったかもしれません」と憤る。女児は無傷で保護されたとはいえ、こんな男を野放しにしてはならなかった。

source : 週刊文春 2020年9月17日号

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