4人の候補者が立ち、宰相の椅子を争った総裁選。「河野を総理にしてはいけない」。水面下で暗躍したのは、復権を目論む安倍前首相だった。新総理の誕生で渦巻く怨念、深まる亀裂。これから始まるのは、自民党の――。
総裁選が告示される前の9月中旬、清和会所属ながら、河野太郎行政改革相を支持する意向を見せていた柴山昌彦前文科相に一本の電話がかかってきた。
「河野には石破がつく。大丈夫なのか? この先、選挙もあるんだ」
早口だった声の主は、安倍晋三前首相。ちょうどこの頃、安倍氏の“天敵”とも言える石破茂元幹事長が総裁選に出馬せず、河野氏を支持する方向と伝えられていた。さらに小泉進次郎環境相も加わり、「最大派閥が河野太郎をダメだと言っている」と清和会批判を繰り広げていた時期だ。
だが安倍氏の強い後押しで、清和会では高市早苗前総務相の支持者が急速に増えていた。そこに反旗を翻そうとしていたのが、原発に批判的な柴山氏である。
自民党幹部が明かす。
「安倍氏は幹事長時代、04年の埼玉8区補選で党史上初の公募を実施しました。これに応じたのが、柴山氏です。公選法違反で逮捕された自民党議員の辞職に伴う補選でしたが、安倍氏が全面支援したことで柴山氏は初陣で当選しました。にもかかわらず、今回、河野氏を支持する、と。安倍氏は『誰のおかげで議員になれたのか』『次の衆院選では応援しないぞ』と仄めかしたというわけです」
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source : 週刊文春 2021年10月7日号