ガソリンに医療品、七面鳥も イギリスが払う〝離脱の代償〟

THIS WEEK「国際」

近藤 奈香
ニュース 社会 政治 国際

 イギリスのガソリンスタンド(GS)に連日、給油待ちの車が殺到している。同国には約8300軒のGSがあるが、9月30日時点で約2000軒超のGSでガソリンが底をついていた。

 行列に車が割り込み、ドライバー同士が殴り合う事件も発生。GSが閉鎖中であることに気付かず、100台の車が並んだことも。

 グラント・シャップス運輸相は国民に買い占めを慎むよう訴えているが、混乱は収まっていない。10月4日には英国陸軍の兵士が、ガソリンの輸送作業の支援を行う事態にまで発展した。

 突如起こった英国の“石油ショック”。最大の原因は、ガソリンを輸送するドライバー不足だ。

「EU各国のドライバー業界は、長時間労働で薄給のため慢性的な人手不足に悩まされてきました。さらに英国はボリス・ジョンソン首相が推進してきたブレグジット(EU離脱)で、移民の受け入れを減らすべく、運転手の大半を占める単純労働者へのビザも厳格化したのです」(在英記者)

 そこに新型コロナの蔓延が拍車をかける。コロナ後に英国を去り、自国に戻ったEU出身者は約20万人。うちガソリンを運ぶ資格を持つドライバーは約2万5000人にも上るという。

「ドライバー不足が深刻化してきた中で9月23日、英石油大手・BP社が一部GSを閉鎖し、パニックに火が付いた」(同前)

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source : 週刊文春 2021年10月14日号

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