週刊文春 電子版

引退する元厚労相・川崎二郎 トイレ盗撮、未払いで調停へ

THIS WEEK「政治」

「週刊文春」編集部
ニュース 社会 政治

 自民ベテランが相次いで引退する次期衆院選では、後継に世襲候補が目立つ。

 三重2区でも小泉政権で厚生労働大臣を務めた川崎二郎衆議院議員(73)が引退し、長男の秀人氏(39)が出馬する。川崎家の世襲はこれで四代目だが、公募すらしなかったことに地元でも批判の声があがっている。そして、実は地元事務所で深刻なトラブルが起きていた。

 昨年5月12日。名張市の川崎事務所に勤務していた40代女性がトイレを使用中、床に置かれた芳香剤ケースに異物が入っているのに気づいた。不審に思い確認すると、中に小型カメラがある。当の女性が語る。

「白い芳香剤ケースに紛れるようにカメラは白いテープで巻かれていたが、何度も出し入れしたためか、黒ずんでいた。粘土で角度が上向きに固定されるなど、ケースも加工されていた」

 驚いた女性は、直ちに東京にいる公設秘書に連絡。同秘書がその日のうちに地元入りし、内部調査が行われた。翌日には、女性とともに名張事務所に勤務する30代の男性事務所長が「自分が盗撮目的でカメラを設置した」と認めた。

「カメラは人が動くと作動する方式。事務所のトイレは色んな人が利用しますが、秘書立ちあいのもとで事務所長のパソコンのデータを確認すると、私が映っている動画のみが大量に保存。とくに私がズボン姿のときの動画がピックアップされ、顔はもちろん、局部まで映されていた」(同前)

 女性は被害届を出すことを望んだが、川崎事務所は「警察には届けない。お金をもらって許すように」の一点張り。盗撮動画のデータも、女性には提供されなかった。不信感を持った女性は川崎事務所を退所した。その後、事務所長は解雇。女性に送付した謝罪文には19年7月の参院選頃から盗撮行為を始めたと書かれていた。一度は示談を持ち掛けられたが、しばらくして取り下げられた。

「事件を隠ぺいし、女性の尊厳を踏みにじる川崎事務所の姿勢が許せません」(前出・女性)

 さらに、女性の報酬は月額10万5000円で、うち2万円は車両費だった。

「週3~4回ではこの金額かと思いましたが、結果的にはフルタイムで残業もあった。川崎氏は元厚労相なのに、これでは三重県の最低時給以下です。秀人氏が所長の鈴鹿事務所でも、どんなに長時間働いても一日5000円が上限です」(同前)

 女性は今年7月に川崎氏と元事務所長相手に民事調停を申し立てた。慰謝料や未払い賃金の支払いなどを求めている。川崎事務所に見解を問うと「回答は差し控えさせて頂きます」と答えるのみだった。

source : 週刊文春 2021年10月14日号

文春リークス
閉じる