週刊文春 電子版

日大背任 病院トップの北新地「汚すぎる豪遊実況中継」

「週刊文春」編集部
ニュース 社会

「あの人の飲み方はえらい汚くてなぁ。ホステスのハイヒールを脱がして、そこにシャンパン注いで飲んだりすんねん」

 大阪・北新地のクラブ街でそう呆れられるのは、東京地検特捜部に逮捕された医療法人トップである。

 特捜部が医療法人「錦秀会」前理事長の籔本雅巳容疑者(61)を背任の共犯の容疑で逮捕したのは10月7日のこと。日大附属板橋病院の建て替え工事を巡り、日大理事の井ノ口忠男容疑者(64)と共謀し、2億2000万円を外部に流出させ、日大に損害を与えたと見られているのだ。

田中英寿理事長

「日大から支払われた資金の送金先が籔本のペーパーカンパニーになっており、特捜部はこのうち約1億円が籔本の私的な遊興費の支払いに充てられたとみています」(検察担当記者)

 籔本が9月まで理事長を務めていた錦秀会は関西を中心に病院や介護施設など約30施設を展開する西日本最大級の医療グループ。資産総額は約75億円に上る。経営に行き詰まった末の犯行とも思えないが、

「実は事件前、籔本は国税から法人の経理に関して査察を受けているんです。国税当局は、籔本がプライベートで遊んだ金を経費として計上していることを問題視。そのため、籔本は遊ぶ金欲しさに井ノ口と日大の資金流出計画を企てた可能性があります」(同前)

 一大医療法人のトップは自ら“転落”していった。

「若い頃は、女遊びもせんとスポーツ好きな真面目な好青年やったんやけどな」

 そう語るのは若かりし頃の籔本を知る病院関係者だ。

「天王寺の大阪教育大附属高から関西医科大に入り、卒業後に大阪大学医学部大学院に行くんやけど、なかなか医師免許が取れなくて『予備校に通って7回目でようやく受かった』と言うてましたわ」(同前)

 1995年、34歳の若さで父・秀雄氏が築いた錦秀会の理事長職を継ぎ、事業を拡大していくのだが、

「その頃から嫁さんと3人の子どもを放ったらかして新地で飲み歩くようになったんや」(同前)

 それはまさに金に物を言わせる飲み方で、酔うと高級そうなグラスを、「これは5万か? 10万か?」と言いながら次々に床に叩きつけて割り始める。弁償代も含めて一晩で1000万円を使ったこともあるという。籔本を接客した経験のある元ホステスが言う。

「私のときはグラスをガリッと噛んでいくつも割っていましたが、そんなのは序の口。私がテーブルに携帯を置いてトイレに立つとグラスの中にドボン。ただ、そうやって面白がった後は、帰り際に新しい携帯を買えるだけのチップをくれましたけどね」

 歳を重ねるごとに様々な政治家に献金をするようになり、安倍晋三元首相とは度々ゴルフを共にする「アベ友」に。最も関係が深い国会議員は中山泰秀前防衛副大臣で、累計で2000万円以上の献金をしている。中山氏本人が言う。

「私が20代の頃からお付き合いしており、結婚式の仲人もして頂きました。人間的に立派な方で非常に尊敬し、信頼しています」

 角界との関係も深く、日大出身の遠藤の後援会長を務めたことで、日大の田中英寿理事長とも関係を深めた。横綱時代の朝青龍のタニマチとしても知られている。角界関係者が語る。

籔本、井ノ口(右上)、田中理事長(左下、日大HPより)

「籔本は朝青龍にブラックカードを渡しており『好きなだけ使っていいと言ったら1カ月で5000万円も使われた』と嘆いていました」

 こうして人脈を広げていった籔本だが、それと並行して酒の飲み方も過激さを増していった。さるクラブのママが嘆く。

「籔ちゃんには着物をビリビリに破かれたり、襟首から背中に『オエッ』とひと口ゲロを吐かれたりもしたわね……」

 極めつけは、10年程前のこのエピソードだ。

「とある店で飲んでいたら、籔本がいきなりズボンを降ろし、女の子が持っていたバーキン(エルメスの数百万円はする高級バッグ)の中にウンチをし始めたんです。後日、その子は新しいバーキンを籔本に買ってもらっていましたが、さすがにドン引きしましたよ」(別のクラブ関係者)

 酒と欲に溺れ、最後は“ウン”も尽きてしまった。

若い頃、ハワイでの籔本

source : 週刊文春 2021年10月21日号

文春リークス
閉じる