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巨人大失速を招いた 原辰徳「焼き畑野球と恐怖人事」

「週刊文春」編集部
エンタメ スポーツ

 かつて巨人・原監督の下でヘッドコーチを務めた伊原春樹氏がこう断言する。

「以前はドシッと構えていたけど、今年は動きすぎ。調子が悪い選手をすぐファームに落としたり、コーチも配置転換する。でもチームで原辰徳監督に諫言する人はいない。責任は彼にある」

伊原氏

 巨人が首位に立ったのは8月末。今年も巨人か、と思われたが――。

「9月上旬の阪神戦で連敗して首位から陥落し、4年ぶりの10連敗を記録。振り返れば4位カープが間近に迫っている」(スポーツ紙記者)

 連敗が続き、監督のコメントにもキレがない。

「貯金が無くなったことを問われ『どうぞどうぞ』『どうぞどうぞ』と意味不明な受け答えを連発し、『ダチョウ倶楽部か』と記者の失笑を買った」(同前)

今年が監督通算15年目となる

 大失速の理由の一つは、全権監督としてチームの編成権も握る原監督の“恐怖人事”。代表例が石井琢朗野手総合コーチの左遷だ。

左遷された石井コーチ

「広島時代から面倒を見ていた丸佳浩の不調の責任をとらせ、10月に3軍コーチへ異動に。石井コーチがハッキリ意見を言う性格なのも一因でしょう。さらに吉村禎章1軍作戦コーチを降ろし、阿部慎之助2軍監督を代わりに据えた。選手からは『何で?』という声も出ている」(球団関係者)

“次期監督”候補の阿部コーチ

 結果、監督の周囲にはイエスマンしかいなくなった。

「元木大介コーチや宮本和知コーチもモチベーターとしては優秀ですが、起用法には一切口を出さない」(同前)

 もう一つの理由は、好みの選手をとにかく使い倒す“焼き畑野球”にある。

「2期目は内海哲也、山口鉄也、西村健太朗の投手陣を使い倒し、次の高橋由伸体制では勤続疲労を起こしていた。今季も前半、高橋監督時代に獲った投手の戸郷翔征や高橋優貴など若手を酷使。最近は勝ち星を挙げられていない」(一般紙記者)

 若手を辛抱強く使えないため、育成もままならない。

「廣岡大志内野手も『主力になる』と目をかけていたのに、1軍と2軍を行ったり来たりさせている。1・2塁を守ることの多かった北村拓己は、中田翔獲得の煽りを食らい、出場機会が減った。ただベテランも中田や原監督がFAで獲得した梶谷隆幸、井納翔一など活躍していない」(同前)

 一方、一度嫌いになった選手は徹底的に冷遇する。

「井納に関しては『顔も見たくない』と吐き捨てるように言っている。小林誠司への当たりも強い。練習しようとしていた小林をバットで押しのけ、岡本和真を呼んで指導。報道陣からも『え~』と声が上がった」(前出・スポーツ紙記者)

 もはや焼け野原の投手陣の崩壊は、先発陣を中4、5日で回すことで加速した。

「通常、登板間隔を詰め、ムチを入れるのは9月後半から。でも今年は9月頭からした。結果、投手陣は完全にバテて、早い回で捕まってしまう。中継ぎも早めの回から準備する機会が増え、中には1試合で3回も肩を作らされる選手も」(同前)

 原監督は今年が契約の最終年で、続投が既定路線。

「先日、山口寿一オーナーが極秘で東京ドームを訪れていた。最終決定権者の渡邉恒雄最高顧問に話をするタイミングを見計らっている段階です」(前出・関係者)

 選手もコーチも疲弊しやる気があるのは監督ばかり。

 

source : 週刊文春 2021年10月28日号

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