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AV史上最大の無修正流出 30億稼ぐ中国の悪い奴ら

「週刊文春」編集部
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 サイトを開くと、黒い背景の中に美女たちの妖艶な肢体が次々と浮かび上がる。だが、そこには「無修正流出」の文字が――。アダルトビデオ業界はいま、“緊急事態宣言”が発令中だ。

 AV女優事務所が騒然となったのは今年1月のこと。

「ハッキングされて編集前の素材が盗られたかもしれないと、ソフト・オン・デマンド(SOD)から連絡が来たのです」(事務所幹部)

 SODといえば年間売上高90億円を超える業界トップのAVメーカーだ。

「同業者たちと『大丈夫かな』と心配していたら、10月中旬頃から中国のサイトで一気に公開されたのです。局部にモザイクがない、無修正の映像でした」(同前)

無修正動画を売る中国のサイト

 サイトを確認すると、流出していた無修正動画は約120本。SODの作品が約50本と最も多く、他にプレステージなど人気メーカーの作品も含まれていた。

 メーカー関係者が語る。

「過去には監督がマスターテープを流出させた事件や、業界を辞める人間が小遣い稼ぎに持ち出すケースもあったが、本数は少なかった。今回は史上最大規模です」

 なぜ中国のサイトに公開されたのか。AVライターの東風(こち)克智氏が話す。

「中国では日本のAV女優の人気が沸騰しており、イベントに行くと新聞で大々的に取り上げられます。特に波多野結衣さんは台湾の清涼飲料水のCMにも起用されるほど人気が高い」

 問題のサイトには人気トップ女優の作品が多数含まれ、一本50~100ドルでダウンロード販売されている。

「彼女たちのヒット作は約3000本売れるのですが、その無修正版は海外ファンの間では貴重。平均75ドルとして120作品が3000本売れたとしたら、30億円以上の稼ぎが見込めます」(前出・メーカー関係者)

 前代未聞の流出劇に、業界では様々な噂が飛び交う。

「現場の人間しか持ちえない台本や編集前の『撮り素材』まで流出しているので、内部犯行説が囁かれている。本編には絶対のせてはならない“疑似精子”を作る場面まで収められていますから」(メーカー幹部)

流出した台本

 さらにこのような証言も。

「SODはモザイクをつける子会社をタイのバンコクの官公庁街にもっている。男だと盗む可能性があるのでスタッフは女性ばかりですが、そこから流れたという話も出ています」(同前)

 流出動画の削除は可能なのか。ITジャーナリストの篠原修司氏が解説する。

「サーバー運営者に違法動画であることを証明した上で削除依頼を出しますが、対応してくれない場合もある。その後は日本や現地の裁判所に訴えることになりますが、言語や法律の違い、費用面が障害になり、泣き寝入りするケースが多いと考えられます」

 被害はそれだけではない。元トップ女優でAV女優のセカンドキャリア問題に取り組む小室友里氏が話す。

「一度ネットに流れてしまったら、完全に削除するのが不可能な“デジタルタトゥー”となり、引退後も私生活に影響が出る。海賊版を視聴してもメーカーに売上が入らず、事務所や女優への支払いも滞ります。絶対に見ないでほしいです!」

元トップ女優の小室友里氏も激怒

 すでに業界には不穏な空気が漂い始めている。

「女優の中にはメーカーが組織的に流したのではないかと疑心暗鬼になり、訴える準備を始めた子もいる。一方、メーカーも盗まれた被害者と主張し、泥仕合になりそう。何より問題なのは、ショックで引退する子が出たり、今後AVに出演しようと思っていた子が来なくなること。AV界の未来に与える損害は甚大です」(前出・メーカー関係者)

 SODは代理人を通じて、「本件の事案を深刻に受け止めており、可能な限り削除等の対応を取ることで、被害回復に努めていく予定でおります」と回答した。

 日本の文化で違法に稼ぐ奴らは許されない。

source : 週刊文春 2021年11月11日号

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