28年前、当時皇太子だった天皇陛下と雅子さまの「結婚の儀」を生中継した、元TBSアナウンサーの吉川美代子氏(67)。月日は流れ、陛下の姪にあたる眞子さんは、小室圭さんと共に異例の会見に臨んだ。吉川氏はそれを複雑な思いで見つめていた――。
初々しかった4年前の婚約内定会見とは別人のようでした。特に眞子さん。その表情や言葉に“敵愾心”といいますか、「批判する人たちには負けない!」といった、強烈な対抗意識が透けて見えました。その姿がショックで、悲しかった。
余裕のなさゆえか、応援してくれた方々への感謝は口にしていましたが、ご両親や、結婚を認めてくださった両陛下への感謝に言及していなかった。とても残念に思います。
一方、隣に座る圭さんは、どことなく勝ち誇った相好でした。「何を言われようとも、俺は結婚に漕ぎ着けたぞ」と、陶酔しているようにも映りました。「眞子さんを愛しております」と国民を前に堂々と愛を宣言し、若い人からすれば、素敵に思えたかもしれない。でもこれまでの経緯を考えると、少なくとも私は手放しで喜ぶ気になれなかった。
私が皇室に対する尊崇の念を深める契機となったのは、平成5年6月、当時の皇太子と雅子さまのご結婚でした。結婚の儀の生中継を担当するにあたり、皇室の役割やしきたりを、一から学び直したんです。脈々と受け継がれてきた皇室の伝統や歴史に触れ、皇族の方たちへの敬愛と思い入れが格段に強まりました。
令和を迎え、その直後にやってきたコロナ禍。そんな中、眞子さんの結婚は本来、世の閉塞感を吹き飛ばすような、明るい話題になるはずでした。立場にとらわれず、自由な恋愛をしてもいいじゃないかという意見もあるでしょう。ただ私は、内親王として生まれた方は、たとえ皇籍を離れることになったとしても特別な存在であり、結婚相手にも一定の品位があってほしいと思っています。
この結婚に暗い影を落としたのは、婚約内定後に噴出した小室さん一家の金銭問題でした。これって要は、圭さんの母親と元婚約者の間で起きた、男女関係のトラブルですよね。そういう話題にプリンセスが巻き込まれてしまった――。
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source : 週刊文春 2021年11月11日号