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工藤静香母子を見て思う『YOSHIKIでもいいか』

青木るえか「テレビ健康診断」

青木 るえか
エンタメ 芸能 テレビ・ラジオ 音楽

 日曜深夜、テレビの消し忘れか、あるいは猫がリモコン踏んでつけちゃったかぐらいしか思い浮かばないよ、この番組つけてる家は。私はたまたま寝そびれて見たが。『西本願寺音舞台』。

 草刈正雄がナレーションでナビゲーターが比嘉愛未、やけに美しい画面とカメラワークで西本願寺の建物とか紹介してたかと思うと、境内のコンサートになる。

 舞台は「光を駆使した」、どっかで見たような、高級旅館の庭園の夜みたいな美しさ。テーマは『いのち』。フルートとピアノのデュオとか、草木染めの衣裳のバレエダンサーのコンテンポラリーダンスとか、先鋭的っぽいけどわかりやすいパフォーマンスを繰り広げる。若いのにやけに大家然とした砂絵アーティストが不思議絵を描いて舞台に大写しにしたり。まあよくあるやつですよね。しかし見るからに金がかかってそうなのに、利益が発生するとも到底思えないイベントで、不景気なら真っ先にフェイドアウトしそうなこんなイベントを、コロナで去年がなかっただけで今年で34回。経済というのはわからないことが多い。

 で、今年のこれに出てくるフルート奏者はCocomiで、歌手は工藤静香なのだ。それで「はじめて共演」するんですって。工藤静香が『いのちの歌』を歌い上げ、Cocomiがフルートを吹き上げる(そんな言い回しはないが、見た感じがそんな)。どうもテレビ欄を見ても、この母子共演が番組の目玉のような。工藤静香、トリだし。

工藤静香

 そこで私が思い出してしまったのが『天皇陛下御即位十年をお祝いする国民祭典』、平成の御代の祝典。あれを見た時に「YOSHIKIが奉祝曲って。YOSHIKIにゴーサイン出したのは誰だ」と思った。作曲家は他にナンボでもいるだろうになぜあえてYOSHIKIなのか。御前演奏がYOSHIKIとは。

 しかしこの『西本願寺音舞台』の工藤静香母子を見てたら、「YOSHIKIでもいいか」という気持ちになれた。今、日本で金かけて文化的催しをやるとこういうふうになるのだ。というよりも、金をかければかけるほどこうなる。

 しかし私はまだ、「工藤静香というとYOSHIKI」「2人は魂の伴侶」というイメージを拭うことができないでいるようだ。ちなみに、動くCocomiさんを初めて拝見したらパフュームのかしゆかのようなお洒落なフルート奏者で、それほど工藤静香性は感じなかったが、お母さんが横にいるとやはり似てると思ってしまいました。フルートはほんとにブイブイ吹き上げてらっしゃいました。

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source : 週刊文春 2021年11月11日号

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