愛娘の結婚について、〈皇室としては類例を見ない結婚〉と評し、〈ご迷惑をおかけした方々に誠に申し訳ない〉と謝らざるを得なかった秋篠宮。そのお気持ちの奥にあるのは、諦めでも、悔恨でもなく、“怒り”だという――。
東京・目白の学習院大学教員住宅前。午前6時半、淡いピンクのワンピースに身を包んだうら若き女性が、両親と弟とともに姿を見せた。彼女はきょう、嫁いでゆく。両親は、最愛の娘をどう見送るか、前日に“予行演習”を行った。
「娘なのだから、頭など下げずに手を振って送り出したい」
そう言う父に、母は、
「妃殿下になるのですから、お辞儀してください」
とたしなめた。だが父はその朝、結局手を振った。娘を乗せて皇居に向かう車が見えなくなるまで――。
1990年6月29日。学習院大学名誉教授・川嶋辰彦氏に見送られた秋篠宮妃紀子さま(55)の、若かりし日の姿である。
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source : 週刊文春 2021年11月18日号