“物言う株主”の対応で明暗 解体される東芝と復活ソニー

THIS WEEK「経済」

森岡 英樹
ニュース 社会 経済 企業

 石坂泰三、土光敏夫。2人の“財界総理”を輩出した名門企業は解体されるのか――。

 東芝は11月12日、会社を事業別に3分割し、23年度下期の上場を目指す中期経営計画を発表した。

「原子力政策や交通システムなどを担うインフラサービス会社、ハードディスクドライブ(HDD)などの電子部品を担うデバイス会社の2社を切り出し、現在の東芝本体は、約4割を出資する半導体大手キオクシアホールディングス株やブランドを管理することになります」(東芝関係者)

 会社分割を主導したのは、車谷暢昭社長(当時)の辞任を受け、今年6月に発足した戦略委員会だ。取締役会傘下の組織で、5人の社外取締役で構成される。

「KPMGコンサルティング出身のポール・ブロフ委員長を筆頭に、委員はエフィッシモ・キャピタル・マネジメント、3Dインベストメント・パートナーズなど“物言う株主”との協議を経て、決まった。筆頭株主のエフィッシモは旧村上ファンド系、第2位株主の3Dはシンガポールに拠点を置くファンドです。当然、今回の会社分割も“物言う株主”の意向が色濃く働いています」(同前)

 事実、綱川智社長も12日の会見で「株主のためにも最善の道」と述べた。

綱川社長は「メリットのほうが完全に多い」と語るが……

「“物言う株主”は高値で売り抜ければいいわけですが、会社にとってはデメリットもあります。特にデバイス分野の売上高は1兆円に届かず、この先、外資などに買収されるリスクは高い。事業を効率化していけば、更なる拠点の閉鎖も現実味を帯びてくるでしょう」(メガバンク幹部)

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source : 週刊文春 2021年11月25日号

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