11月9日、ひとりの女性が99年の生涯を閉じた。120作以上の小説によって「人間」を描き続け、僧侶として多彩な活動を繰り広げ、そして数々のスキャンダラスな逸話を遺して――。瀬戸内寂聴、その実像に迫る。
「瀬戸内さん、亡くなったと思うよ」
2021年11月9日朝、美術家の横尾忠則(85)は“強烈な不在感と虚脱感”に襲われて目を覚まし、妻に50年来の親友の死を告げた。妻には一蹴されたが、その確信が正しかったことは数時間後、瀬戸内の秘書からの知らせで判明した。
〈瀬戸内が今朝旅立ちました。悲しいです〉
午前6時3分。小説家で僧侶の瀬戸内寂聴が逝った。享年99。
1カ月前から体調不良のため京都市内の病院に入院していたが、心不全のため帰らぬ人となった。密葬の日を待つのみだったが、11日昼の朝日新聞の速報を受け、公表することとなったという。横尾が語る。
「なんの目的も、大義名分もない関係でした。お互いに素っ裸で話していましたから。そういう自由な人間関係って瀬戸内さん以外にちょっと考えられない。
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source : 週刊文春 2021年11月25日号