コロナの新規感染者数が急減しているとはいえ、マスクを着用する日常に変わりはない。

 一方で、長期間に及ぶマスク生活により、不調を訴える人が後を絶たないという。いわば“マスク病”だが、これは決して侮るべきではない。必需品のマスクに潜むリスクとは――。

 

 最近増えていると指摘されるのが「マスク頭痛」だ。医療ジャーナリストの森田豊医師が解説する。

「マスクの長時間使用によって、緊張型の頭痛に悩む人が増えています」

 マスクは耳かけのゴムによって両方の耳に固定される。そんなに強い負担には感じられなくても、時間が経つにつれ徐々にこめかみの筋肉が圧迫され、あごなどの筋肉に負荷がかかっていくのだ。

「最終的には、首の左右にあり、頭から鎖骨にかけて縦に走る胸鎖乳突筋が疲労します。すると、頭のまわりや首の後ろ、背中にかけての筋肉が緊張するため、頭痛を引き起こすと考えられます」(同前)

 頭全体がじわりと締め付けられるような痛みが、ダラダラと続くのが症状の特徴だ。

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source : 週刊文春 2021年12月2日号