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吉村洋文大阪府知事 市議の時も在職2日で316万!

「週刊文春」編集部
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〈どうやら1日だけでも国会議員の身分となったので、10月分、100万の札束、満額支給らしい。領収書不要。非課税。これが国会の常識。おかしいよ〉

 10月末の衆院選で当選した議員に、在職1日で1カ月分の文書通信交通滞在費(文通費)が全額支給されていた問題。自身のツイッターでそう厳しく批判していたのは、吉村洋文・大阪府知事(46)だ。

 文通費とは、給料にあたる歳費とは別に、毎月100万円が国会議員に支給される手当。使途は通信費などに限定されているが、日割り支給ではなく、その月に1日でも在職していればひと月分満額が支給される。

 日本維新の会はこの問題をいち早く追及。しかし直後、副代表の吉村氏自身が2015年10月、大阪市長選出馬のために衆院議員を辞職した際、在職1日で10月分の文通費を満額受け取っていたことが発覚する。

 

 吉村氏は「ブーメランが刺さった」と反省の弁を述べ、全額寄付する意向を表明。一方、100万円のために辞職日を調整したのではという指摘には「そんなコスイことを考えるなら市長選に出ていない」と反論した。

 だがーー。

 話は14年にさかのぼる。弁護士から政界に進出し、大阪市議となっていた吉村氏は衆院選への出馬を決意。日本維新の会の前身である維新の党から11月25日、次期衆院選候補者として公認を受けた。

 そして12月2日、大阪市議を辞職する。

 

 小誌が大阪市議会事務局に確認すると、公認直後の11月末までに辞職すれば、ボーナスに相当する期末手当の支給額は満額の238万6000円ではなく、その8割である190万8000円に。しかし、期末手当の基準日である12月1日以降に辞職すれば満額受給となるのだ。

 月給にあたる歳費についても、やはり12月1日がポイントとなる。12月中に1日でも在籍していれば、12月分の月額報酬の満額である77万6000円が支給されるからだ。月の途中で辞職したとしても、歳費を返還する必要はない。

「吉村氏が市議を辞職した12月2日は基準日を過ぎているため、12月期の期末手当は満額支給されています。また、12月分の報酬も満額支給されています」(大阪市議会事務局総務担当)

 つまり、吉村氏は12月に2日間だけ市議に在職したことで、計約316万円の支給を受けていたのだ。

 文通費の日割り支給などの法改正が見送りになった際に「(国会議員は)本当に税金に群がるシロアリだと思います」と怒りを露わにしていた吉村氏。自身はなぜ、公認直後の11月中に市議を辞職しなかったのか。

 質問状を送ると事務所が次のように回答した。

ーー期末手当をもらうために、辞職日を調整した?

「期末手当を念頭に置いての立候補、辞職はございません。衆議院選挙への立候補に伴う自動失職という形での失職です」

ーー歳費も満額受給しているが、税金のムダを省くためには11月中に辞職すべきだったのでは?

「自動失職となる立候補日まで大阪市北区選出の大阪市議会議員として活動し、その職責を果たしたものでございます。よって何ら問題はないかと存じます」

2014年の衆院選では比例復活当選

 あくまで衆院選公示日に立候補届を出したことによる自動失職だと強調する吉村氏。ただ、当然ながら「選挙に関係なく、議員自らが辞職をすることは可能」(前出・大阪市議会事務局総務担当)だ。

 また、立候補日まで「職責を果たした」と主張する吉村氏だが、11月25日付で市会運営委員会の委員を辞任し、それ以降は委員会等には出席していない。

 今回、各党の国会議員は10月分の文通費を寄付する方針を示した。一方の吉村氏は衆院議員の時は1日在職で文通費を100万円、市議会議員の時は2日在職で期末手当と歳費を合わせて316万円を受給。これは偶然なのか……。

 再び戻ってきたブーメランへの対応が注目される。

source : 週刊文春 2021年12月23日号

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