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ボクシング最強王者が“KO寸前”に追い込まれた警察沙汰

「週刊文春」編集部
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関西大学時代に頭角を現した
関西大学時代に頭角を現した

「7月の事件が原因で、試合の正式発表が先延ばしになっています。寺地と被害者との示談が長引いているのです。試合予定日まであと一カ月を切り、関係者は皆ヤキモキしています」(ボクシング業界関係者)

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「寺地」とはプロボクシングWBC世界ライトフライ級王者の寺地拳四朗(28)。今、彼の大勝負の実現が、他ならぬ自身の行状によって揺らいでいる。

 京都府出身の寺地は2014年にプロデビュー。17年に王座を奪取して以来、国内現役最多の世界戦7連続防衛中。戦績は17戦全勝、うちKO勝ちが10と、軽量級離れしたハードパンチャーだ。所属ジムの会長、寺地永氏は実の父親で元・東洋太平洋ライトヘビー級王者。つまり寺地は二世ボクサーでもある。

「昨年末にV7を飾った防衛戦も、顔に傷一つつけることなく圧勝だった。今年6月の米メディアによる格付けランキングでは、三階級を制覇した井上尚弥(27)より高評価。元WBA同級王者・具志堅用高の持つ13連続防衛の日本記録更新が期待され、本人も『絶対に超える』と言っています」(スポーツライター)

 今年は、新型コロナウイルスの影響で、6月末まで休止していたプロボクシングの国内興行。年2~3回のペースで防衛戦をこなしてきた寺地も試合間隔が空いたが、『ボクシング・ビート』12月号(11月13日発売)で、12月19日にエディオンアリーナ大阪で8度目の防衛戦が決まったと速報された。

突然、試合情報が消えた

右は父親の永氏
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 相手は同級一位の久田哲也(36)。

「寺地念願のトリ興行です。これまでは複数の王者が登場するダブル、トリプル戦に出場し、昨年末は村田諒太の“前座”だった。テレビ中継も企画され、知名度を上げる絶好の機会がやってきたのです」(同前)

 ところが――。

「大手チケットサイトで11月21日から発売予定だったのが、突然試合情報が消えた。現時点でも正式発表がなく、ファンからも戸惑いの声が出ています」(同前)

 試合が正式に決まらない原因は、冒頭の“7月の事件”にあった。前出の業界関係者が内情を明かす。

「寺地は今年2月から地元の京都を離れ、都内に拠点を移していた。が、試合内定後の7月、仲間と泥酔し、一人で帰宅途中に豊洲のタワーマンションに不法侵入。車庫に止めてあった住人の車をボコボコに破壊したのです。地元警察が監視カメラで寺地による犯行を特定。警察の取り調べに、寺地は犯行を認めたそうです」

被害者の感情と折り合わず……

 

 寺地側は被害者に示談を持ちかけ、試合前の収束を図ったという。

「だが、ある日突然車を傷つけられた被害者の感情となかなか折り合わず、交渉は長期化している。結局寺地サイドも、『示談が済んでから試合出場を決める』と主催者に伝えたのです。が、試合が迫り、実施は“KO寸前”という状況です」(同前)

 小誌の取材に対し、父親の永会長は、警察沙汰になっていることは認めながらも、詳細については締切までに回答しなかった。

 車をノックアウトしたところで、防衛回数は増えまいに……。

source : 週刊文春 2020年12月3日号

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