「進撃あるのみ」とウクライナの首都・キエフの制圧に向けて兵を進めるプーチン。待ち受けるのは――。
「キエフは陥落するのか」が焦点になっているが、たとえ陥落しても、イコール停戦とはならないという。軍事ジャーナリストの潮匡人氏が語る。
「ウクライナのゼレンスキー大統領が逃亡し、他都市へ遷都する。あるいは、ポーランドなどに亡命政権を樹立することもありえる。いずれにせよ、キエフ陥落後も戦争は続くでしょう」
戦況が泥沼化した場合には、どんな“悪夢のシナリオ”がありうるのか。
1つ目は、原発暴走のリスクだ。3月15日現在、キエフから南へ約350キロ離れた南ウクライナ原発へ向かって進軍するロシア軍部隊がいる。東大先端科学技術研究センター専任講師の小泉悠氏が語る。
「チェルノブイリ、ザポロジエに続き、明らかに原発を優先目標にしていますが、軍事的な合理性からはありえない判断です。『ウクライナは核兵器を開発している』とプーチンは主張しており、原発攻撃には、宣伝工作も含めた政治的狙いがあるのでしょう」

極めて堅牢に設計されているという南ウクライナ原発だが、意図的な電源喪失となれば話は別だ。
「外部電源が遮断され、冷却システムが機能しなくなれば、原子炉や使用済み核燃料を冷やすことが出来ない。つまり、メルトダウンが起きる可能性がある。福島と同じことが起これば、広大な土地が何十年も汚染されます」(英ポーツマス大学のジム・スミス教授)
2つ目は、核の使用だ。
「もはや引き返すことはできず、どんな手段を使ってもウクライナ支配へと前進するしかプーチンに選択肢はない」(前出・小泉氏)
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source : 週刊文春 2022年3月24日号