イラストに添える一言にもこだわっていた、ナンシー関。カラオケや格闘技好きの彼女の素顔を担当者が振り返る。

 

A:CREAで「地獄で仏」を連載スタート時から担当

B:「テレビ消灯時間」(連載初期)、CREA、出版部で担当

C:「テレビ消灯時間」担当(2001年4月〜02年6月)

A 僕はナンシーさんと同い年なんです。「CREA」編集部にいたとき、民俗学者の大月隆寛さんとの対談「地獄で仏」を1992年12月号から連載してもらいました。当時30歳で連載を何本も抱え、93年1月1.8日号から「週刊朝日」で「小耳にはさもう」がスタート。ライバル誌でやっているけれど、「週刊文春」の編集部員が好きだからお願いしたいと相談して、同じ93年の10月21日号から「テレビ消灯時間」が始まったんです。

B 私は週刊の初期の頃に担当していました。校了日(締切日)の昼頃に電話すると、ナンシーさんが呻吟しながら「えーと、◯月◯日◯時からの……」と取り上げる番組を決めてくれる。それから番組表の図版を作り、版画をいただきに行ったりしていると、夕方、ファックスで原稿用紙に綺麗な字で書かれた原稿が届く。ゲラにしてファックスで送り、疑問点があったら電話で訊くと、「ここをこうして」と一瞬の判断で修正する。行数もぴったりで、まさに匠の技でした。

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source : 週刊文春 2022年5月5・12日号