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「日本のフィクサー」(下)警察庁が“監察”したパチンコ社長と栗生官房副長官の“蜜月”

西﨑 伸彦
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 その男の名は、これまで大手メディアで報じられたことは皆無に近い。「コンパス」社長・武本孝俊氏。だが、豊富な資金力を背景に彼の人脈は各界に縦横無尽に張り巡らされている。中でも岸田政権の官房副長官とは――。

 2017年12月4日。その男性は警察庁からの呼び出しに応じ、霞が関を訪れていた。

警察庁長官まで務めた栗生氏

 発端は、秋口から警察関係者やマスコミ関係者などにバラ撒かれた怪文書。記されていたのは、警察が管轄するパチンコ業界のフィクサーと名指しされた人物と、警察庁ナンバー2だった栗生(くりゅう)俊一次長との“蜜月”だった。

記者会見する武本氏(「遊技通信」98年6月号より)

 警察庁の庁舎とは別の場所で秘密裏に行なわれた聴取。そこに姿を見せた男性とは「コンパス」社長という肩書きを持つ武本孝俊氏(62)だ。監察部門による聴取は一日では終わらず、日を改めて複数回にわたって実施されたのだった。

菅前首相

 一方、約4年後の昨年10月、もう一人の当事者、栗生氏は岸田政権下で官僚機構のトップ、官房副長官にまで上り詰めたのである。

 前回取り上げた大樹総研の矢島義也会長が派手に人脈を誇示する“動”のフィクサーなら、武本氏は表に立つことを嫌う“静”の存在。世間の知名度とは裏腹に、彼の人脈は矢島氏同様、政界や官界を筆頭に縦横無尽に張り巡らされている。

二階元幹事長

 例えば菅政権下では、武本氏が関わる店が注目を集めたことがあった。2020年12月14日、高級ステーキ店「H」。この店で、コロナ禍で五人以上の会食を控えるよう要請しながら、菅義偉首相や二階俊博幹事長ら8人がマスクを付けずに会食を行なった。実は、Hが店舗を構えるのが、武本氏が銀座の一等地に所有するビルの1階なのだ。

「カウンターが8席、奥に八人ほどが座れる個室が一つ。Hには安倍晋三元首相らが足を運んでいますが、客の多くは武本氏の人脈に連なります。この時の会合も、Hを頻繁に利用する二階氏が声を掛けた忘年会的な集まりでした。武本氏は二階氏とは1対1で食事できる仲。菅氏とも官房長官時代から会食を行なってきました」(自民党関係者)

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source : 週刊文春 2022年5月26日号

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