私たちはコロナ禍を経て、人間、いつ死ぬかわからないと改めて実感した。その思いはとりわけ高齢者において切実。ならば、元気なうちに人生を整理整頓しておきたい――。それに取りかかるに相応しい年齢がある。自分を取り巻く様々な状況が変わる「75歳」だ。
ドラマ「キイハンター」や伝説のバラエティ「風雲!たけし城」でおなじみの俳優・谷隼人(74)は、9月で75歳になる。「後期高齢者」入りは目前だ。

最近、今後について同い年の妻・松岡きっこ(74)と考え始めたと話す。
「先日、きっこが運転免許を『もう一度更新させてほしい』と言いました。我々夫婦は元気なつもりではいますが、今はよくてもどのタイミングで免許を返納するか。ノートに自分の気持ちをその都度書いて、頭の中を整理していますが、資産の整理や住まいなど、具体的に決めていないことも多い。でもこのコロナ禍、我々だっていつ何が起きるかわからないですよね」
来年以降、団塊世代(1947〜49年生)が続々と後期高齢者になる。2025年には人口の約18%を後期高齢者が占めるという(厚労省の試算)。
75歳になると何が変わるのか。後期高齢者医療制度の対象となり、自己負担額は原則1割となる(“現役並み”の高所得者は3割)。運転免許証の更新に際し、高齢者講習に加えて「認知機能検査」が義務付けられる。
そして大事なことがある。「人生の整理整頓」を始めるタイミングだということだ。今後、体力が下り坂になっていくことは厳然たる事実。それに備えて生活の“守備範囲”を小さくし、将来快適に過ごせるよう、準備したい。また、自分がいなくなったあと、子供や友人など、残された者に手間や迷惑をかけない状態にしておきたい、という意識を持ち始める人も多い。
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source : 週刊文春 2021年3月11日号