「山上の兄も包丁を持って幹部の家に向かった」最も親しい信者の告白7時間

統一教会「徹底解剖」

「週刊文春」編集部

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 自宅の“祈祷室”には、統一教会の開祖である文鮮明・韓鶴子夫妻の写真が並べられている。写真の前に蝋燭を立て、祈りを捧げる母の背中を眺めるのが、その兄弟の日課だった。玄関には乱雑に置かれた靴や生ゴミ。廊下には壊された花瓶や切り刻まれた絵画が放置されている。

「ひと目見て『この家は破綻するな』というのはわかるやないですか。この家族はこの先まともに幸せに生きていけるのか……」

 教会の幹部が抱いた一抹の不安は、20年余の歳月を経て現実のものとなった。教会に積年の恨みを募らせた、この家の次男・山上徹也(41)が安倍晋三元首相を暗殺したのは、7月8日。もうすぐひと月が経とうとする今、かつて山上家と最も親しかった教会幹部・小野大輔氏(仮名)が7時間に及ぶインタビューに答えた。証言からは、“救い”を求めて苦海を漂流する母の孤独、そして兄弟の懊悩が浮かび上がる。

「小野さん、一度会ってみてくださいよ。ちょっと面白い子がおるんです」

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source : 週刊文春 2022年8月11日号

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