3階の市長室に隣接した一角は、マスクをしていても酸っぱい汗とホコリの臭いが鼻を突き、職員は誰も近づきたがらない。洗面所の籠には、びしょびしょに濡れた大量のタオル。女性秘書はそれを市役所の地下で洗濯させられていた――。
大阪・池田市の冨田裕樹市長(44)が、市長室の隣室などに家庭用サウナを始めとする私物を持ち込んでいた問題。昨年10月にデイリー新潮が報じた直後、市長は「公私混同と思われる行為だった」と謝罪した。

2015年から池田市議を務めていた冨田氏は、19年に維新の会の公認候補として市長に当選。
「市長選では前市長の長男と争い、『世襲は市民を愚弄している』『市政の私物化は許せない』などと訴えていました」(地元紙記者)
市長が庁舎内に持ち込んだ“私物”は多岐にわたる。更衣室には畳ベッド、扇風機、カセットコンロや冷蔵庫。男子トイレには電子レンジやダンベル。なぜか女子トイレにもサウナ、扇風機。他にも、エアロバイクやキャンプ用鍋、ガスバーナー、施術用ベッド、そして「サトウのごはん」まで。
この公私混同問題を受け、市議会は百条委員会を設置。公務外の不適切な庁舎利用のほか、市職員へのパワハラ疑惑などについて追及を続けている。市長は証人喚問の場で「(サウナは)体調管理のため」に持ち込んだとし、「サウナに入ってイメージトレーニングをしていた」と釈明。「特別職の私が公務であると認識した時点でそれは公務です」と公私混同を否定している。

だが、「市長の公私混同はあった」と小誌に告発するのは、実際に現場を目撃していた4人の市職員だ。
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source : 週刊文春 2021年3月25号