「進路決定率、これを非常に我々は大事にしています。大学合格実績をご覧ください。なんと、東京大学に4名の方が合格! 国立大学に計37名の方。ラスボスと呼ばれる東大理三(医学部)に1名の方が合格されました。本当におめでとうございます!」
3月23日、YouTubeとTwitter、さらにニコニコ生放送の生配信で、喜色満面にそう発表したのは、角川ドワンゴ学園理事で、6月からKADOKAWAの社長に就任する夏野剛氏。「N高等学校」の「2020年度進路・大学合格等実績発表会」の様子である。
このN高は14年に経営統合した出版大手のKADOKAWAとIT企業ドワンゴが設立した通信制高校。「ネットを駆使した未来の学校」を標榜し、16年4月に開校した。「ネット」と「通学」の2コースがあり、高卒資格が取れる。
「授業はパソコンやタブレットなどを用いて、ドワンゴが開発した学習アプリやZoomなどで受講します。不登校の子に限らず、プログラミングを学びたい子やスポーツ選手、海外居住者など多様な生徒が集まり、近年は桜蔭や女子学院、聖光学院など難関中高一貫校から転入する生徒もいます」(N高関係者)
卒業生にはフィギュアスケート選手の紀平梨花などがおり、現在はプロテニス選手や囲碁棋士なども在学。開校当初、1500人だった生徒数は昨年末時点で約10倍の1万6641人となり、生徒数日本一の高校に成長している。
「著名人の特別授業も盛んで、昨年9月には麻生太郎副総理が登壇。経済学者の竹中平蔵氏や平井卓也デジタル改革担当大臣なども授業を行っています」(同前)
進学実績も年々向上。20年度卒業生では東大4名、京大1名、医学部8名、国公立大学に52名が合格している。この結果を受けて、夏野氏は冒頭のように胸を張ったのだった。
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source : 週刊文春 2021年4月8日号