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NHK 井上あさひをニュースで見られなくなるのはナゼだ

「週刊文春」編集部
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井上アナ(番組HPより)
井上アナ(番組HPより)

「あなたの明日がよい1日でありますようにと願って、この番組を締めくくりたいと思います」

 そう視聴者に呼びかけたのは、NHKの井上あさひアナウンサー(39)。3月26日、ニュース番組を“卒業”した。

 平日23時台に放送されていた「ニュースきょう一日」が、最終回を迎えた。

 NHK関係者が明かす。

「この時間帯は、日本テレビの『news zero』の有働由美子アナ(52)らが顔を揃える“報道番組の主戦場”。そこで19年春の改編で中高年にも人気があるエースの井上を対抗馬として起用したのです」

 岡山県玉野市の出身で、中学時代は箏(こと)の全国3位になったこともある井上アナは私立岡山高校を卒業後、お茶の水女子大学文教育学部に入学。小学校や中学校の教員免許を取得しているが、アナウンサーに憧れ、04年にNHKに入局した。

「報道番組に携わりたい」

 入局当初からそう周囲に話していたという。鳥取、広島放送局を経て09年に東京アナウンス室へ。11年には看板番組「ニュースウオッチ9」に大抜擢され、大越健介キャスターとともに「夜の顔」になった。

タッグを組んでいた大越キャスター
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「新聞全紙はもちろん、NHKの各部が社内システムに上げる原稿すべてに目を通す徹底ぶり。放送前の打ち合わせで、ニュースのキモを見抜く力は群を抜いていた。また、リハーサルで原稿をうまく読めない新米記者に、マンツーマンでレッスンするなど“姉御肌”の一面も。容姿端麗ですが、いわゆるアイドルアナとは一線を画す実力の持ち主です」(前出・NHK関係者)

 15年に「ウオッチ9」を降板した際は“あさひロス”と言われるほど惜しまれつつ、京都へ異動した。

「本人の希望とも言われ、京都で文化人のインタビューなどをこなす一方、『クローズアップ現代+』など全国放送の番組も担当。エースアナならではの異例の扱いでした」(NHK記者)

 17年に東京へ戻り、19年から「きょう一日」のキャスターを務めた。視聴者から「無駄がなくていい」「井上アナの声が落ち着く」と評価されたが、

「放送時間が15分間で、淡々と原稿を読む構成に限界もあった。視聴率は2〜3%と同時間帯で最下位に甘んじていたのです」(同前)

 そんな彼女が4月から務めるのが、「日曜討論」の司会なのだが……。

「政治家と問答するのは政治部の解説委員で、司会と言ってもほぼタイムキーパー係。進んで希望するアナはいません。今回の起用は元政治部長で官邸と近いとされる正籬聡副会長のご指名と言われている。正籬さんの“直轄地”といわれる番組のテコ入れでしょう」(前出・NHK関係者)

 正籬副会長に聞いた。

――「日曜討論」で井上アナの起用も提案した?

「どこでそういう話聞いたのかわかりませんけど、広報を通して頂けますか」

 NHK広報は「事実ではありません」と回答した。

 ニュースから姿を消してしまう井上アナ。前出のNHK関係者が話す。

「女性アナの人数が増えて競争が激化し、報道のキャスターは若年化が進んでいる。そのため、40歳前後で現場から離れる人も多く、民放のようなアイドルアナ路線も強化されているが、それでいいのか……」

 井上アナの明日もよい1日でありますように。

source : 週刊文春 2021年4月8日号

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