かつて銀行は事業と人を見極めて融資する“目利き”を育ててきた。だが、バブル期は他行の動きを窺い、崩壊後は金融検査マニュアルに従い眼力を失った。未曽有のコロナ禍に求められるのは――。
(あきばだいすけ 1966年、東京都生まれ。ジャーナリスト。慶應義塾大学経済学部を卒業後、日本経済新聞社に入社。電機、証券、電力、商社、ゼネコンなど各業界を取材。編集委員などを経て2017年に独立。近著に『ライフシフト 10の成功例に学ぶ第2の人生』がある。)
「ヤメ銀」たちへの取材で、よく耳にするのが「目利き力」という言葉だ。企業や個人への融資の可否を判断する能力、平たく言えば「人を見る目」である。バンカーの知人は「人を見る目だけはあるよ。だってそれを間違えたら、貸したカネが返ってこないリスクがあるんだから」と、さも当然のように言うのだが、本当なのだろうか。これが第二回のテーマである。
話を聞いたのは自閉症児と健常児が共に学ぶという独特の教育で知られ、「自閉症児の東大」とも呼ばれる武蔵野東学園(幼稚園、小・中学校、高専)の理事長を務める寺田欣司(77)である。寺田は東京大学法学部を卒業して三和銀行(現三菱UFJ銀行)に入行、支店長を経験した。その後、2003年に学園の理事長になったヤメ銀だが、実は作家というもう一つの顔がある。
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source : 週刊文春 2021年4月15日号