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田中みな実はマネージャー・クラッシャー 事務所移籍の真相

「週刊文春」編集部
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女優への道を邁進する田中
女優への道を邁進する田中

 4月18日の昼下がり、自宅からタクシーに乗り込んだ田中みな実(34)は表参道の行きつけのチョコレートショップ「ジャン・シャルル・ロシュー」に降り立つ。カーキ色のオールインワンに薄手のブルゾンという春らしい装い。帽子とマスクで顔を覆うも、令和版“美のカリスマ”のオーラは滲み出ていた――。

 田中がTBSのアナウンサーからフリーに転身したのは2014年秋のこと。それから苦節5年。19年12月に出版した写真集が売上60万部という空前のヒットを記録し、女性人気に火がついた。ドラマ「M 愛すべき人がいて」(テレビ朝日系)で魅せた怪演で女優として注目を浴び、現在は「生きるとか死ぬとか父親とか」(テレビ東京系)に出演中。CM5社を抱えるなど、飛ぶ鳥を落とす勢いで活躍の場を広げている。

「生きるとか死ぬとか父親とか」(テレ東)より
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 だが、彼女を知る芸能関係者は、美の裏に隠れた“棘”の存在を打ち明ける。

「彼女は“マネージャー・クラッシャー”。スタッフがバタバタと倒れている」

 フリー転身後、田中が所属したのはアナウンサー・宮根誠司(57)、羽鳥慎一(50)などが所属する芸能事務所テイクオフだ。同社関係者が苦渋の表情で語る。

「彼女が在籍していた6年間で計4人のマネージャーが次々“クラッシャー”の被害に遭い、担当を外れました。歴代マネージャーは『機嫌が悪いと無視される。コミュニケーションが取れない』と口を揃え、心を病んでいった。一緒に車中にいるのに『飲み物を買ってきて』とLINEで指示された、というマネージャーもいました」

 仕事の選別も厳しかった。

「『今度の仕事の方向性はこのような形でよろしいでしょうか』とLINEなどで問い合わせても、2〜3日無視されることがあった。苦労して獲得した仕事も、『私がやるイメージじゃない』と、自分が思い描く“田中みな実”でなければ却下。歴代マネージャーは『もう好きにしてくれ』と頭を抱えていた」(同前)

「何が悪いのかわかりません」

 堪忍袋の緒が切れた歴代マネージャーが同社の横山武社長に「手に負えません」と直談判したこともあったという。横山社長が田中を呼び出して問いただすと、彼女はあっけらかんとした様子でこう答えたという。

「私の何が悪いのかわかりません」

 田中を知るメディア関係者が嘆息しながら言う。

「百戦錬磨の横山社長ですら精神的に追い詰められていました。悩みは仕事面ばかりではない。15年、みな実が交際していた藤森慎吾と破局したという報道が流れたとき、プライドが許さない彼女は『別れていません!』と喚き散らし、周囲は困惑しきりだった」

 そんな田中にとって転機となったのが、前述の写真集の出版とドラマ「M」への出演である。「女優として生きたい」と思い始めた田中に、“芸能界のドン”が目をつけた。

写真集はロングヒット中

「バーニングの周防郁雄社長が、エイベックスに移籍させようとしたのです。テイクオフとしては、売れっ子ではあるが、次々と人材を潰されるのに困り果てていた。そこで一旦、移籍がまとまりかけたのですが、エイベックスが田中の“不穏”な情報を聞きつけて、『やっぱり無理だ』と断ったそうです」(同前)

 そこで田中が自分で見つけてきた事務所がフラームだった。広末涼子(40)や有村架純(28)など人気女優を多数抱える、女優専門の芸能事務所である。

「移籍を後押ししたのは、田中の親友であるフラーム所属の山口紗弥加(41)。業界的に引き抜きはご法度なので、井上義久社長が『みな実がうちに来たがっている』と旧知の横山社長にお伺いを立てた。すると『正直うちは手を焼いているから、すでに決まっている仕事の権利関係やギャラだけ整理してくれればいいですよ』と“円満移籍”になったそうです」(同社関係者)

 フラームで田中のマネージャーについたのは、福島出身のAさん。早大卒の彼女は同大中退の広末からの信頼も厚かったという。そんな彼女が同社を退社したのは、今年3月末のことだ。

「就業時間外の呼び出しがあったり、仕事内容の説明をする際、円滑にコミュニケーションが取れないことがあった。頭を下げるのは、井上社長に対してだけ。『マネージャーを使用人と思っているのではないか』という不満の声が社内から挙がった」(同前)

 軋轢を生む田中の言動の根底には、強烈なプロ意識が見え隠れする。TBS時代の上司でフリーアナウンサーの吉川美代子氏が彼女の原点を語る。

「彼女は大学時代、私が校長を務めていたアナウンススクールの生徒で、同期のTBSアナウンサー・江藤愛とはライバル関係でした。友人に囲まれていた江藤に対し、みな実は誰とも私語を交わすことなく、1人でテキストの予習をするなど孤高の道を歩んでいた印象です。私が『注意したことが直ってないよ』と言うと、次の回には必ずそれをパーフェクトにこなしてくる。目的に向かって優先順位をつけるタイプでした」

 吉川氏は、田中がTBSを退社する際、「もう女子アナ・田中みな実を演じなくていい」という言葉を投げ掛けたという。

「彼女は自分にも他人にも厳しいけれど、凄いと思った人には礼を尽くすタイプ。一方で『女優・田中みな実』とか『今一番売れっ子の〜』というタイトルが付いてしまうと、それに縛られすぎてしまい、周りが緊張してしまうのでしょう」(同前)

 現在、田中は2本のバラエティ番組に出演している他、美容雑誌の表紙や「ニベア花王」「コーセーコスメポート」など美容系のCMは引きも切らない。

「CMのギャラは年契約で1本約2000万円。バラエティ番組は1本25〜30万円程度でしょう。ファッション誌の仕事も含め、年間1億5000万円は事務所に入っているはず。彼女は“大型移籍”だったので他の女優より取り分が多く、8000万円程度はもらっている」(前出・芸能関係者)

 田中がTBS時代に住んでいたのは、約30平米で家賃10万円台のワンルームマンション。写真集を出版した頃には倍以上の広さの高級マンションに転居し、家賃は40万円を超えた。そして、努力が結実した現在、都心の一等地に聳え立つ100平米を超える高層マンションの一室で優雅な1人暮らしをしている。

 冒頭の4月18日、表参道を歩く田中に気付く通行人はいなかった。だが、小誌記者が直撃すると、

田中は直撃に……

「あぁ、はい」と上目遣いで見上げ、瞬時に“田中みな実”に変貌した。

――3月下旬、担当されていたマネージャーAさんが退社したと聞きました。

「(目を丸くしながら)はい、はい」

――田中さんのプロ意識が高く、「現場が凄くキツかった」と聞いています。

「(少し頷き)そうなんですね……」

――Aさんは田中さんの仕事で苦労されていた?

「はい、はい……。事務所に聞いてみますね」

 そう言うと姿勢を正し、タクシーに乗り込んだ。

 フラームにAさんが退社した理由を問うと、「1年程前に結婚をし、3月末付で退社することが決まっておりました」とのみ回答。

 テイクオフからは締め切りまでに回答がなかった。

「期待値以上の仕事ができず家に帰ったときは、悔しくて毎回自然と涙が出る」

 周囲にはそう語る田中。だが、“あざとさ”の裏にはあぶなさがある。

source : 週刊文春 2021年4月29日号

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