吉村知事“ヤルヤル詐欺”徹底検証 医療崩壊はこうして起きた

「週刊文春」編集部
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 大阪府南東部で唯一重篤な救急患者を受け入れる3次救急病院、近畿大学病院の東田有智病院長が言う。

「コロナ重症患者の受け入れで12床確保していますが満床が続いていました。そこに4月17日、重症の肺炎で運ばれてきた方がコロナ陽性と判明し、コロナ患者が13人となってオーバーフローに。部屋を無理やり空けて受け入れていますが、こんな事態は初めてです」

 吉村洋文大阪府知事は、4月20日、政府に三度目の緊急事態宣言を要請することを決定した。

会見での歯切れはいいが……

 そもそも吉村氏は、昨年5月の毎日新聞世論調査「コロナ対策で最も評価している政治家」では1位に。テレビに頻繁に出演し、SNS上で「#吉村寝ろ」と気遣われるほどの人気者だったはず。なぜここまで追い込まれてしまったのか。この1年間を改めて検証してみよう。

 まずぶち上げたのは国内初のワクチン開発だった。昨年4月14日、大阪府と大阪市は、ワクチン実現のため大阪大学などと連携協定を発表、大阪大発の製薬ベンチャー「アンジェス」による開発を後押しした。

 その記者会見で吉村氏は、これを「大阪ワクチン」と銘打ち、「早ければ(2020年)7月に治験を始め、9月に実用化したい。年内に10万〜20万本を医療関係者を中心に提供する」と胸を張ったのだが……。

「アンジェスは国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)から20億円の研究費を支給され、昨年6月に治験を開始したものの、吉村氏は11月、『接種開始は来年(21年)春から秋ごろ』とトーンダウンさせました。実は、未だにまったく実用化のメドは立っていません。同社創業者の森下竜一氏は、大阪万博推進委員会総合プロデューサーに就任するなど大阪政財界に近い人物です」(大阪府担当記者)

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source : 週刊文春 2021年4月29日号

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