耐用年数は40代までで、50代は定年を迎えたかのようなポストを人事部から用意されるという銀行員。人生100年時代に早すぎる“老後”を生きる彼らにヤメ銀が語るのは、第二の人生の送り方である。
(あきばだいすけ 1966年、東京都生まれ。ジャーナリスト。慶應義塾大学経済学部を卒業後、日本経済新聞社に入社。電機、証券、電力、商社、ゼネコンなど各業界を取材。編集委員などを経て2017年に独立。近著に『ライフシフト 10の成功例に学ぶ第2の人生』がある。)
メガバンクのバンカーは、50歳前後で進路の振り分けがある。銀行に残る人はごくわずか。だいたい半分が銀行のグループ会社、残りが取引先の経理や財務担当に出るという。いずれも人事部がポストを用意するので、こうした転出は「斡旋出向」と呼ばれ、その後、転籍するケースが多い。出向先にはランクがあり、それぞれのバンカーが銀行内でどこまで上り詰めたかで新天地は決まる。
まれに起きるのが取引先へ出向したはいいが、オーナーと反りが合わず銀行へ戻るというケースだ。出戻りバンカーは、しばらく行内で「シニアアドバイザー」などの肩書で働くが、人事部は再びポストを用意する。こうして、今も概ね65歳まで面倒をみてもらえる。
筆者(54)と同世代の知人が昨年、銀行のグループ企業に出た。そこで役員になったこともあり、会社が持つゴルフ会員権を付与されたという。
「今の楽しみは週末のゴルフかな。新しい会社では張り切らないように注意している。とにかく無難に過ごすことが一番」
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source : 週刊文春 2021年5月6日・13日号