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泉ピン子 えなり 不仲だけじゃない 渡鬼最終回に2つの危機

「週刊文春」編集部
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「渡鬼」脚本を通算511話書いた橋田氏
「渡鬼」脚本を通算511話書いた橋田氏

「だいたい1年に1回ずつやってますからね、3時間で。今度もそれでと思っていたんです。でも3時間の橋田ドラマをやっていくのは、ちょっと今……」

 こう明かすのはプロデューサーの石井ふく子氏(94)。

 4月4日に95歳で亡くなった脚本家・橋田壽賀子氏の国民的ドラマ「渡る世間は鬼ばかり」(TBS系)が危機を迎えている。

 1990年から連続ドラマとして10シリーズ放送され、その後は年1回特番が放送されてきた「渡鬼」。

 だが、橋田氏は小誌19年10月10日号で、主人公の小島五月役の泉ピン子(73)と長男・眞(しん)役のえなりかずき(36)が共演NGとなっていることを告白していた。

えなりの“アレルギー”は治るか
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「一緒に出ると、えなり君がおかしくなるんですって。発疹が出たり」

 橋田氏は2人が直接会わないようにするための脚本作りに苦心したという。

「えなりさんを5歳から見ていたピン子さんにとっては、何歳になっても我が子。気になったことはなんでも言うし、彼のマネジャーでもある実母にもズケズケと遠慮しなかった。えなりさんと母は耐えられなくなったのです」(TBS関係者)

 そんな問題を抱えつつ、橋田氏は今年の渡鬼で、コロナ下の家族を描こうと構想を練っていた。7月から稽古が始まり、9月放送の予定だったという。橋田氏の逝去で最終回となりそうな本作。ついに“親子”再共演があるかもしれない。

 だが、石井氏に聞くと、冒頭のように言葉を濁し、放送はまだ決まっていないというのだ。危機の理由の一つはコロナ。今も連続ドラマは対策を講じた上で撮影しているが……。

橋田氏と二人三脚で歩んだ石井氏

「若い人たちの出る新しいものはね。(渡鬼は)また違います。やっぱり人数が決まってますから、制限できないんですよね」(石井氏)

 親族が集まるシーンが必須の渡鬼。ピン子をはじめ、高齢のレギュラー俳優が多いため、コロナ感染の深刻度がまるで違うのだ。

 そして、もう一つの危機は脚本の問題だ。石井氏によると、橋田氏は構想だけを伝え、まだ脚本の形になっていなかったという。

――原案・橋田先生の形で、別の脚本家を立てるのは?

「それはないと思います。ご当人が一番嫌っていることなので」

――石井さんがお書きになるということは?

「……私が書くってことも、ないと思いますけども」

――他の脚本家が書くよりは、資格があるのでは?

「はい、それはわかってはいるんですが、局の方針を聞いてみないとわかんないですよ。今はっきり言えないんで、ごめんなさい。私が何か言って、そういう風にしなきゃみたいになっちゃうと問題があるので」

 さらに“主役”の意向もある。「おしん」など多くの橋田作品に出演したことで名優の評価を得たピン子。臨終を看取り、お骨と共にバスに10時間乗って愛媛の寺まで納骨に赴いている。

橋田ファミリーの“看板女優”

「TBSの追悼番組の際には『あんた出てよ』と、所縁のある俳優たちにキャスティングの電話をかけていました。渡鬼についても、橋田作品という思いが強い。『ママ(橋田氏)が書いてないんじゃ、やるのはムリじゃないの』と話しています」(ピン子の知人)

 ピン子に取材を申し込んだが、「休養に入っている」とのことでNG。TBSは今後の放送について、「現時点で決まっていることはありません」と回答した。

 天国の橋田氏のためにも、ピン子とえなりの“母子再会”を最終回で見せてほしいものだ。

source : 週刊文春 2021年5月6日・13日号

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