ハァ“過呼吸”紅白 新春恒例 今井舞ブッタ斬り! 

「週刊文春」編集部
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冥界を思わせるステージに、思わず某国民的アニメの名セリフ「アムロ、いきまーす!」を思い出した第68回NHK紅白歌合戦。最強のカンフル剤注入で起死回生のはずが、空回りする意気込みと怒濤のNHK押しで、“過呼吸”気味。いっそ殺して、の声は空耳か?

◆ ◆ ◆

 前年の「SMAPに袖にされる」の図の惨めさが印象的だったせいで、「安室も桑田も出ないんだろうな……」とすっかり諦めムードだったところ、一転。「獲ったどー!!!」の雄叫びと共に、高らかに「祝・安室奈美恵&桑田佳祐出演」を謳い上げ始まった今回の紅白。正直NHK側は、50%超えも夢じゃないと、期待に胸を膨らませていたはず。しかし、終わってみれば結果は歴代ワースト3位の39.4%。

 理由? そんなの知りませんわ。巷間言われてる「国民的ヒット曲不在」ってヤツでしょうよ。と、制作側になり代わってふてくされてみたが。国民的ヒット曲もないのに、毎年国民的歌謡番組を作らなければならない苦痛。錬金術か。そもそも4時間半放送っていうのが長すぎだろ。「若者も年配者も楽しめる歌番組」って、無理無理無理。前半の「誰それ知らない」のツッコミの嵐キツかったよ。堰を切ったように流れ出る制作者のぼやきの数々。空耳だけど。

もしかしてこれ、「のど自慢」?

 しかし、前半は視聴する方も本当にキツかった。毎年当然のようにねじ込まれるジャニーズ若手、Hey! Say! JUMPのお稚児芸でスタート。次に出てきたLittle Glee Monsterなる地味な娘さんたち。その分声量はすごいのかと思いきや、大学のハーモニーサークルみたいな仕上がり。あ、この人は知ってる、漫才コンビ和牛の左側だ、と思ったら演歌歌手の山内惠介で、「J-POP界のクイーンです!」と紹介されて出てきたのがE-girls。SHISHAMOは知ってたけど。……そっか。こういう仕上がりかぁ。

「紅白」だと思って見てたけど、もしかしてこれ、「のど自慢」? 番組名を確かめたくなる、知らない拙い画ヅラが延々と。「若い人には大人気なんです」という言葉では、ごまかしきれない華のなさ。知らないお年寄りが見ても、目にした瞬間「何かすごいね」が伝わるような、竹原ピストルや三浦大知のような、説得力のある歌い手を揃えて欲しいのだが。「それじゃ数が少なくて尺が埋まりません」ってことなら、いっそ前半はもう、テレビ東京に頭を下げて「年忘れにっぽんの歌」を共同放送。これで紅白が抱える永遠のジレンマ「若者VS.年寄り、見たい歌手違う問題」は全て解決すると思うのだが。

 若者向けの歌い手を、年寄りでも楽しめるようにと、勝手な浅知恵であれこれいじくり回し、けったいな演出で晒すのは、若手歌手の「カッコ悪い」「出たくない」という紅白アレルギーを悪化させるだけという気がする。

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source : 週刊文春 2018年1月18日号

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