「車が買えるくらいの金額を入金したばかりでした。『マウントゴックス事件』の時も被害を受けたので、またやられた……」
1月26日、大手仮想通貨取引所「コインチェック」がハッキングの被害を受け、時価580億円相当の仮想通貨「NEM」が流出した。渋谷駅近くの本社には、顧客が次々と抗議に押し寄せ、ある個人投資家の男性(45)は、そう言って肩を落とした。
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コインチェックによると、26日午前3時ごろ、不正アクセスを受けてNEMが流出。社員が異変に気付いた午前11時半ごろには、保有するほぼすべてのNEMが失われていた。NEMの保有者数は26万人に及ぶという。
14年には、世界最大のビットコイン取引所だった「マウントゴックス」から465億円分が消失、同社は経営破綻したが、その被害額を上回り、仮想通貨のトラブルとしては過去最悪となった。
なぜこのような事態に陥ってしまったのか。
「仮想通貨は通常、ハッキング防止のため、ネットから隔離した『コールドウォレット』で管理しますが、今回NEMに関してはネットに接続したままの『ホットウォレット』で管理していた。加えて、多くの取引所が採用している秘密鍵を複数に分割する『マルチシグ』を取り入れてなかった。同社は業界でも多い13種類もの仮想通貨を扱っていますが、たかだか80人ほどの社員でセキュリティを万全にするなど不可能でした」(ITジャーナリストの三上洋氏)
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source : 週刊文春 2018年2月8日号