4月末、27歳の海上自衛官が退官した。事件に関連があるとの情報を受け、小誌が追ってきた男だ。彼は文書でこう回答した。「事情聴取を複数回受けた」「安倍晋三を葬れたことは感無量です」。さらに、小誌が直撃すると――。
〈(昨年の)7月にお会いした時に正確な回答を申し上げることができずご迷惑をおかけ致しましたことを謝罪申し上げます。
今回、この一連の質問に関して回答させていただくにあたり、全ての回答は一公人としての回答として認識いただければと思います〉
4月29日、午後2時52分に小誌記者に寄せられた約1800文字の「回答書」。
出だしこそ慇懃な調子だが、やがて、安倍晋三元首相(享年67)への“恨み”と自己陶酔を隠さなくなっていく。
〈安倍晋三の殺害が達成された今、私は罪には問われないと自負しております。殺人教唆だとか騒ぐ人達は自衛隊内においては多数おりますが、私が意図して山上容疑者に対して指示をした確固たる証拠はないはずですから、完全犯罪です。あなたたち週刊誌は面白おかしく報道するのが仕事でしょうけど、証拠もないのに記事にできるわけないですよね?〉
送り主は、横須賀地方総監部に所属する27歳の現役海上自衛官、四元康太氏(仮名)。小誌が、安倍氏暗殺事件発生直後から約10カ月にわたり追い続けてきた人物だった。彼は最後にこんな感情を吐露した。
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source : 週刊文春 2023年5月18日号