「採決の際に一人寝返ったヤツがおったんです。

　それで緊急動議をかけられて、議長の役を取られてしまったので勝ち目がないと思いました。

　これだけ会社のために頑張ってきたのに……。それで自分で『もう辞めるわ』って言うたったんです」

　こう語るのは“クーデタ”で退任に追い込まれた積水ハウスの和田勇前会長（76・現取締役相談役）だ。

◆ ◆ ◆

　社長、会長として計20年間、君臨した和田氏が予想外の“追放劇”に遭ったのは1月24日のこと。

　きっかけは、昨年6月に同社が東京・五反田の元旅館の土地取引を巡り、63億円を「地面師」から詐取された事件だ。

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