「梅雨から夏に変わるこの時期、不眠、頭痛などの体調不良を訴える患者が増える傾向にあります。実は、天候や季節の変動によって、体に不調や痛みが生じる人は国内で1000万人いるとされます」(愛知医科大学疼痛医学講座の佐藤純教授)
今年も猛暑が予想されている。7月に入ったばかりだが各地で30℃超えが続く。一方で天候不順などが続き、気温や湿度、気圧が1週間のうちに目まぐるしく変化する。「寝ても疲れが抜けない」といった体の症状や「やる気が出ない」といった精神的な落ち込みが出やすい。
佐藤教授は、気候による体の不調には、ある神経が深く関わっていると警鐘を鳴らしてきた。
「天候によって気圧が変化すると、体へのストレスも増します。昼夜の寒暖差が大きかったり、天候が安定しないと、自律神経が乱れてしまい、体のさまざまな不調へとつながるのです」
人びとの悩みの原因となる自律神経とは何か。都内のひまわり医院伊藤大介院長が解説する。
「自律神経は体の機能を24時間態勢で調節する神経のこと。自律神経には心と体を活発にする交感神経と、逆に体をリラックスさせる副交感神経があります」
交感神経が活発になると、血管が収縮し臓器に血流や酸素を集めようとする。
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source : 週刊文春 2023年7月13日号