オウム真理教が東京都から宗教法人の認証を得たのは1989年のこと。この年、彼らは嬰児を含む一家3人を惨殺し、6年後に国家権力の打倒を目指す恐ろしいテロを起こす――。凶暴化の最初の一歩となった事件のキーマンの肉声が、23年の時を経て開封された。(筆者:武田賴政[ノンフィクションライター])
◆ ◆ ◆
「悲鳴はないだろうね。聞いていない。ただ、アッとか、ウッとかいうのは……。坂本弁護士の声だと思うけどね。こいつら(自分以外のメンバーを指して)がパッと入っていったときにはたぶん蹴ったり、殴ったりするよな、腹を。そうしたら、アッとか、ウッとか言うからね。そのぐらいの声は聞いたよ」
――奥さんのほうは?
「奥さんのほうはね、これ書いちゃいかんよ、『子供だけは』って言ってたよ、はじめ。それは小さい声だからわからないわけ。(ひそやかな声?)そうそう、そう。もう切羽詰まった声よ。(何度も?)いや、それは繰り返せなかったんじゃない。(略)要するにね、その狭い部屋に3人が寝てるんだよ。そこに5人が入っただけでね。わかるやろ、大体。もうグジャグジャの状態やからね」
◇
「わしもその場にいたんじゃ」
7月6日、麻原彰晃を始めとする元オウム真理教信者7名の死刑が執行されたとの一報は、私の胸を騒がせた。だがそこに岡﨑一明死刑囚(57)の名はなかった。
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source : 週刊文春 2018年7月19日号