早稲田大学の伝統ある音楽サークルを率いる老指揮者。今年3月にはベルリン・フィルハーモニーでもタクトを振るった彼に対して、現役団員やOB、保護者等から、批判と困惑の声が上がっているという。皇太子殿下も鑑賞した有名楽団で、一体何が起きているのか。
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〈1300万含め、覚書の一部だからね。それを忘れんな。覚書は契約書と同じだからな。請求し続けるぞ〉
〈(払わないなら)もう話し合いの余地はない。まったく話にならない。自動的に、ドイツ(のツアー)は全部キャンセルされる〉
〈俺に対して、そういう口答えするということ自体が、君たちがいかに病んでいるかってことだ。病気治してからこい!〉
発言の主は、早稲田大学交響楽団を率いる「永久名誉顧問」の田中雅彦氏(83)。小誌が入手した、2016年6月の学生側と田中氏とのやりとりを録音したデータによるものだ。そこには、金銭面で疑問を感じる学生に、田中氏が要求を続ける様子が約1時間にわたって記録されていた――。
100年余の伝統を誇る「ワセオケ」
騒動について詳述する前に、早稲田大学交響楽団について説明しておこう。ワセオケの愛称で親しまれ、早大関係者なら知らぬ者のいない有名サークル。300名近くの団員は全員現役早大生のアマチュア楽団ではあるが、1913年の創設以来、100年余の伝統を誇る。
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source : 週刊文春 2018年8月2日号