監督・コーチの隠蔽工作、理事による脅迫が事実認定されても雲隠れを続ける“日大のドン”。今回、小誌の取材に対し、元幹部職員、元総長がさらなる重大疑惑を明かした。年間90億円を超える助成金が大学に注ぎ込まれるなか、最高権力者の逃げ切りは許されない。
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「日本大学すべての運動部を統括し、予算を握るのが保健体育審議会(以下、保体審)です。現在、保体審には34の運動部がありますが、それぞれがスポーツ推薦の入学枠を持っている。全国大会の成績などに応じ、入学試験のハードルを下げて受け入れるのですが、この“保体審入試”は以前から不透明な部分がありました。例えば、ある運動部が10人の推薦枠を持っていても、その年は採りたい学生が8人しかいなかったとすれば、枠が2人分余る。その枠を融通し合うのです。差配は保体審が行なうのですが、相撲部とアメフト部は数多くの推薦枠を持っており、監督の権限は絶大です」
小誌の取材に対し、日大の元幹部職員が“最大の暗部”を意を決して告発する。
それは大学経営の根幹をなす入試にかかわる不正だ。
アメフト部が文理学部に所属しているように、運動部と各学部との結びつきは密接で、保体審の幹部が学部長らに推薦枠の受け入れを打診するのだという。
「なかには全国大会での成績を改竄したり、未経験のスポーツのユニフォーム姿で写真を撮影して申請しながら、入学後は別の運動部に入部するケースもあった。推薦枠が200万円~300万円で売買され、そのお金が監督の懐に入っていると聞いています。ただ、誰も保体審には逆らえません。以前に研修会の席で『保体審はバカばかり』と発言した幹部が理事長の怒りを買った。その幹部は降格させられ、机とパソコンだけが置かれたタコ部屋に異動になりました。彼は定年までの約2年間、そこで過ごすことを余儀なくされたのです」(同前)
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source : 週刊文春 2018年8月9日号