関係者300人以上が告発状を出し、私物化が問題となっている日本ボクシング連盟。すべての始まりは、「週刊文春」が昨年8月10日号に掲載した〈村田諒太を私物化する「ボクシング連盟のドン」〉と題した記事だった。山根明会長(78)のワンマンぶりや、村田諒太のプロ転向を巡る金銭のやりとりなど、日本ボクシング連盟にはびこる問題を報じた。ここに全文再掲載する。(出典:週刊文春 2017年8月10日号)
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「日本のアマチュアボクシング界は、不祥事の隠蔽、審判や選手などへの暴言、連盟内の女性トラブルが起きるなど、惨憺たる状況が続いています。その背景には、日本ボクシング連盟の“ドン”こと山根明会長(77)の存在がある。彼は組織を完全に私物化してきた。このままでは真面目にボクシングに取り組む学生が浮かばれないという思いから、今回、私は連盟の内情を公にしようと決意しました。現在プロで活躍中の村田諒太も犠牲者の一人です」
本誌にそう告発するのは、会長の元秘書で、昨年の春まで連盟の理事だった澤谷廣典氏(54)だ。
澤谷氏は今年6月まで近畿大学ボクシング部の総監督も務めていた。ボクシングの名門校として知られる近大だが、今年7月中旬、男性監督(29)が、女子部員に対してセクハラを行なっていたことが発覚。
この事件で、連盟の山根会長はメディアに「悲しく、悔しい」などとコメントし、男性監督を連盟から除名処分にすることを発表した。
「山根会長は、他人事のようにコメントをしていますが、実は、この監督は会長の孫婿。監督は近大OBが務めるのが慣例ですが、会長が口利きをして、OBでもない孫婿が監督に就いたのです。事件当時の総監督として、私は、被害者の部員、ご家族に申し訳ない気持ちでいっぱいです」(澤谷氏)
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source : 週刊文春 2017年8月10日号