「リンチを受けた後、弟は『死ぬかと思った』と家族に打ち明けています。何より許せないのは、水泳部が事件をひた隠しにしていたことです。アメフト部の不祥事があったばかりなのに、日大の体質は何も変わっていない。不信感でいっぱいです」
小誌の取材にこう心境を語ったのは、日大水泳部の2年生、A君(20)の兄である。
5月に起きたアメフト部の悪質タックル事件から4カ月。今度は日本水泳界の至宝・池江璃花子が進学予定の水泳部でリンチ事件が起きていた。
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1927年発足の同部はバルセロナ五輪の岩崎恭子をはじめ、6人の金メダリストを育てた名門。36回ものインカレ優勝を積み重ねてきた、大学水泳界の雄でもある。
監督を務めるのは、日本代表ヘッドコーチや競泳委員長を歴任した上野広治氏(59)だ。
「上野氏は代表では選手とコーチの橋渡し役を担い、日本水泳連盟の競泳委員長に長年、君臨してきました。その功績が評価され、現在は連盟の副会長に就任、JOCの理事も兼務しています。3年前、リオ五輪直前に連盟が提示した人事案に不快感を表明し、当時の鈴木大地連盟会長(現・スポーツ庁長官)を慌てさせたこともありました」(スポーツ紙記者)
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source : 週刊文春 2018年10月4日号