リオデジャネイロ五輪を翌月に控えた2016年7月。日本大学水泳部の1年生だったA選手が、東京・目黒区内にある水泳部の学生寮と隣接するプールの女子更衣室で自ら命を絶った。過去に5人の金メダリストを輩出した名門水泳部に警察当局の捜査が入る異例の事態となったが、その後もA選手の死が公にされることはなかった――。
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日大水泳部関係者が当時を振り返る。
「A君は平泳ぎが専門で、関東近郊の有力校からスポーツ推薦で日大に入り、目黒の日大水泳部の寮で生活していました。寮は1部屋に1年生から4年生の各学年1人ずつが1組となって入る形です。A君は同室の先輩との関係も決して悪くなく、悩みを抱えている素振りもなかった。少し気弱で、からかわれやすい、いわゆるイジられキャラではありましたが、自殺した日の朝もいつも通り練習していました」
昼前になってA君の変わり果てた姿を発見したのは、付属高校の水泳部の女子部員たちだったという。
「緑色の延長コードのようなもので首を吊っており、その姿をみた女子選手のなかにはショックで、しばらく学校に通えなくなった人もいたと聞きました。日大水泳部の場合、女子選手は基本的に所属するスイミングクラブで練習し、大学で練習することはないので、普段女子更衣室が使われることはほとんどありません。この日はたまたま付属高校の女子選手が練習でプールを使ったため、現場に遭遇したのです」(同前)
A選手の自殺は部外秘
警察が臨場し、A選手の自殺の一報は水泳部を率いる上野広治監督(59)や授業中だった水泳部の部員にも伝えられた。
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source : 週刊文春 2018年10月11日号