「東洋大学の陸上部には憧れの選手もいたので、自分も箱根駅伝で活躍したいなと思い、入学を決めました。でも上級生からの度重なる“指導”に耐え切れなくなり、半年で逃げ出してしまった。陸上部に馴染めなかった自分にも非はありますが、あそこまでの暴力をふるわれる理由はなかったはずです」
今年9月まで東洋大陸上部に所属していた橋本龍君(18)は本誌の取材に実名を明かし、こう告発する。
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東洋大学陸上競技部(長距離部門)といえば、いわずとしれた箱根駅伝の常連校。酒井俊幸監督(42)が就任した09年以降、優勝4回。前回大会まで3年連続総合2位を獲得している。
埼玉県出身の橋本君は、中学時代、3000メートルの全国トップの記録を樹立。高校時代も全国上位のランナーとして期待を集め、今年4月、陸上部の特待生として、東洋大学に入学したばかりだった。
「次、ミスしたら坊主にしますと言え」
橋本君を悩ませる上級生の“指導”は入部直後から始まった。橋本君が語る。
「埼玉県川越市にある陸上部の寮には4年生まで、数十人が住んでいます。毎晩、1年生は、寮の掃除などの仕事をこなさないといけません。僕はトイレや風呂場などの掃除の仕方が下手で、注意されることが多くなりました。また練習中にも挨拶の仕方などで怒られることもあった。4月中に、3年生で箱根駅伝にも出場していたA先輩から怒られた際に、寮で足を蹴られました。他にも上級生から『次、ミスしたら坊主にしますと言え』と強制され、反省の意を示すために坊主頭にすると、今度は『なんで坊主にしたんだ!』と怒られました」
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source : 週刊文春 2018年10月18日号