「研究に全く貢献していない」 ノーベル賞・本庶博士と小野薬品の軋轢

「週刊文春」編集部
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「テレビや新聞の報道ではカットされていましたが、ノーベル賞受賞という晴れがましい会見にもかかわらず、本庶(ほんじょ)先生は小野薬品を批判する発言を繰り返しました。現場にいた記者が引いてしまったほど。ただ、これまでの経緯を知っていれば先生の思いも理解できます」(製薬業界専門紙記者)

◆ ◆ ◆

 今年のノーベル生理学・医学賞に選ばれた京都大学特別教授の本庶佑(たすく)氏(76)。免疫の働きを抑えるブレーキ機能を持つ分子「PD-1」を1992年に発見。2002年にはがん治療に役立つことも確認され、新薬開発への道を切り開いた。こうした研究業績が評価されての受賞となった。

 この基礎研究を元に、小野薬品工業などが開発したがん治療薬が「オプジーボ」(一般名ニボルマブ)だ。

「オプジーボは免疫チェックポイント阻害薬と呼ばれ、PD-1によるブレーキ機能を外し、免疫細胞にがんを攻撃させるという『免疫療法』の新薬。外科的手術、放射線治療、化学治療(抗がん剤)に次ぐ、第4のがん治療法です。14年9月の発売当初は皮膚がんの悪性黒色腫(メラノーマ)のみの適応でしたが、その後、肺がん、頭頸部がん、腎がん、胃がんなどにも適応が広がっています」(全国紙科学部担当)

 オプジーボは発売当初の薬価が100mg73万円。年間で患者一人あたり約3500万円もの費用がかかることも波紋を呼んだ。

「小野薬品は全く貢献していません」

 10月1日、小野薬品はノーベル賞決定を受け、「本庶先生の業績に対して、かねてより多大な敬意を表しており、共同研究を実施することができた巡りあわせに感謝しています」とコメントを発表。

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source : 週刊文春 2018年10月18日号

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