父の11億円借金でヤクルト断念、“強制引退” 高橋由伸エレジー

「週刊文春」編集部
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 3年続けて優勝を逃し、高橋由伸はあっけなくユニフォームを脱いだ。逆指名ドラフトから、プロ入り後の度重なるケガ、そして“強制引退”。誰もが「天才」と認めた由伸は、なぜ傷だらけの野球人生を過ごすこととなったのか。彼の悲劇は一体いつから始まったのか。

◆◆◆

「現役時代の由伸は巨人一筋18年で、プロ通算1753本安打という記録でした。もし巨人ではなく、ヤクルトか西武を選んでいれば、間違いなく彼と同年代の松井稼頭央や福浦和也と同じように2000本安打を達成していたはず。球界の盟主である巨人の重圧は他球団とは比べ物になりませんし、引退試合もないままに現役を退き、監督に就任せざるを得ない球団の事情にも翻弄された。不運だったとは思います」

 彼のチームメイトだった巨人OBは高橋由伸についてこう振り返った。

 悲劇のプリンス――。由伸の野球人生に付き纏うその形容は、今から21年前の“運命の日”から始まっている。

プロ入り直後から長嶋氏も「天才」と絶賛していた

異様な雰囲気の逆指名会見

「読売ジャイアンツを逆指名させて頂きます」

 1997年11月4日。当時慶応義塾大学4年生だった由伸はこの日、約半月後に控えたドラフトの行方を決定付ける逆指名会見に臨んでいた。彼にとって人生を左右する晴れの舞台となるはずが、苦渋に満ちた表情で口調もしどろもどろ。額からは汗が噴き出すなど、異様な雰囲気に包まれていたという。

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source : 週刊文春 2018年10月18日号

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