夏の甲子園の主役は、11年ぶりにその地を踏んだ東北の雑草軍団だった。絵になるエース、2ランスクイズ、サヨナラ勝ち……漫画のような快進撃に全国が熱狂した。当時から取材を続けるライターが、関係者計22人に話を聞いて見えてきた「奇跡」の深層――。(文=中村 計)
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強固な信念が根付いている人の、独特の威圧感があった。
「昔の野球、昭和の野球ですよね」
そう語るのは金足農業のコーチ、伊藤誠(44)だ。同校OBで、高校2年春には「7番・レフト」で甲子園にも出場している。高校卒業後は、捕手として地元の強豪社会人チームTDKで11年プレーした。現在はTDKに勤務しながら、母校コーチとして後輩たちを指導している。
陰で支えてくれた――。
伊藤の名前を出すと、ほとんどの選手がそう口をそろえる。
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source : 週刊文春 2019年1月3日・10日号