キセル京王観光「頼もしいと…」 親会社京王電鉄社長の懺悔告白

「週刊文春」編集部
ニュース 社会 経済 企業

「不正乗車を行なった大阪の2支店は当時から成績がよく、むしろ頼もしいとさえ思っていました。まさか背景にこのような不正が隠れていたとは……。(2013年から15年まで)2年間社長を務めた京王観光で、これだけの不正を見つけられなかったことは、悔やんでも悔やみきれません」

 小誌の取材にこう陳謝するのは、京王観光の親会社・京王電鉄の紅村(こうむら)康社長(60)である。

◆◆◆

京王電鉄の紅村社長 HPより

 小誌前号で明らかとなった、京王観光の大阪2支店における組織ぐるみのJR不正乗車事件。JR側の被害額は二億円を超すとも見られるが、なぜそんなことが可能だったのか。京王観光の関係者が、手口の詳細を明かす。

「京王に限らず、大手旅行代理店には、『マルス』と言うJRの発券端末があります。そこでは、やむを得ない事情による払い戻しをいちいち行うのは煩雑なので、とりあえず無料で発券する、“0(ゼロ)円発券”が可能です。今回の不正はこれを利用していました。0円発券を行い、乗ることが確定したら有料発券に切り替える“発行替え”をするのが通例ですが、それをしなければJR側の売上に計上されることはありません。例えば100人の団体ツアーなら、50人分はきちんと発券し、残りの50人分は0円発券で乗ってしまう。すると、50人のお客さんが支払った代金が丸々儲けになるというわけです。万が一、車掌に見とがめられた時に備えて、添乗員は必ず有効期限3カ月の指定席回数券を携えていた。“もしも”の時はそれを見せればいい。旅行代理店の立場を利用した周到かつ悪質な手口です」

 この方法には、JR社員も納得する。

「添乗員さん同行となれば、こちらも信頼しますしね。最近は新幹線車内でも指定席券の確認は省略されましたから、より不正がしやすくなっていたと思います」

初回登録は初月300円で
この続きが読めます。

有料会員になると、
全ての記事が読み放題

  • 月額プラン

    1カ月更新

    2,200円/月

    初回登録は初月300円

  • 年額プラン

    22,000円一括払い・1年更新

    1,833円/月

※オンライン書店「Fujisan.co.jp」限定で「電子版+雑誌プラン」がございます。ご希望の方はこちらからお申し込みください。

有料会員になると…

世の中を揺るがすスクープが雑誌発売日の1日前に読める!

  • スクープ記事をいち早く読める
  • 電子版オリジナル記事が読める
  • 解説番組が視聴できる
  • 会員限定ニュースレターが読める
有料会員についてもっと詳しく見る
  • 0

  • 0

  • 0

source : 週刊文春 2019年1月24日号

無料ニュースレター登録はこちら

今すぐ登録する≫

新規登録は「初月300円」から

今すぐ登録する≫