トーストとともにコーヒーを飲む——どこにでもある朝食の風景だが、そのコーヒーが認知症予防に効果があるという。しかも認知症リスクを上げる糖尿病や脳卒中の予防にも効くというのだ。飲み方や飲むタイミング、どれくらい飲めばいいのか、専門家に聞いた。
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コーヒーの人気が高まっている。コンビニでも淹れたてのレギュラーコーヒーが手軽に飲めるようになったこともあり、全日本コーヒー協会によれば、2016年の消費量は4年連続で過去最高を記録するとの見込みだ。そんなコーヒーが、最近の研究により認知症予防に効果があることがわかってきた。また、糖尿病や、脳出血、脳梗塞といった脳卒中の予防にもはっきりとした効果があるという。
コーヒー研究の著書もある、管理栄養士の安中千絵氏がこう語る。
「コーヒーの可能性について、様々な研究が世界中で進められており、毎年約800本の論文が発表されています。認知症についてはフィンランドのクオピオ大学がコホート研究を行っています。2009年に発表された結果によれば、コーヒーを1日に3〜5杯飲んでいた人は、全く飲まないか、飲んでも2杯以下の人に比べ、認知症発症のリスクが60〜65%も低いことがわかったのです(下記のグラフ参照)。コーヒーに含まれるカフェインや、クロロゲン酸、トリゴネリンといった成分による効果だと考えられています」
コーヒー摂取と認知症発症リスク(男女)
この研究では、約1400人の男女を21年間に亘って追跡。対象者が65歳から79歳になった時点で調査した結果、61人が認知症と診断され、そのうちの48人はアルツハイマー型認知症だった。食習慣を見たところ、日常的にコーヒーを飲んでいる人と、飲んでいない人では、認知症発症リスクに前述のような差が出たのである。
血中のカフェイン濃度を調べる
「米国でも研究が進んでいる」と話すのは、元ハーバード大学研究員で、ボストン在住の大西睦子内科医だ。
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source : 週刊文春 2017年3月9日号