「そのうち、そのうち」と思っている間に、“その時”は突然やってくる。誰にも必ず訪れる親子の別れ。看取り、葬儀、相続……決めるべきことを決めていないと、別れの記憶は一生苦いものとなる。今、話し合うべきことは何か――看取りの最新事情を徹底取材!
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(1)できること、できないことをはっきりさせる
人生の終幕に向けて準備をする“終活”という概念が定着して久しい。
最期を意識するにあたって、高齢者の多くは「看取りで子供に迷惑をかけたくない」と考えるのが心情だろう。だが、ここに大きな落とし穴がある。
日本クオリティオブライフ協会代表理事を務める終活診断士の清水晶子氏が警鐘を鳴らす。
「子に迷惑をかけまいとする親心は、終活に取り組む多くの人の動機になっているのですが、実は危険な考え方なんです。結果、自分で何とかしようとしてしまうからです。いつか来る死と向き合う作業だけに、不安を掻き立てられて終活を放棄してしまったり、終活ウツになったりする人は、実は少なくありません」
終活は、当事者が抱え込むものではなく、子世代ら家族による心の支えが不可欠だという。いずれ親は逝き、それを看取るのは子の役目。つまり、親の終活と子の看取りは切り離すことができず、親子ともに取り組むべき作業なのだ。
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source : 週刊文春 2017年8月31日号