高齢になり筋肉が落ちると、転倒のリスクが上がるなど、様々な問題が起きる。そうした体全体の筋力低下が、“舌の筋肉”と密接な関係があることが最近の研究で分かっている。そのメカニズムとどうすれば舌の筋肉を維持できるのかを、専門医に解説してもらった。
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高齢になって、体全体の筋肉量が減少する症状を「サルコペニア」という。転倒による骨折をはじめ、様々な疾患を招くことも多く、要介護になる大きな要因のひとつだ。その予防や対策は医療界の重要な課題となっている。
そんななか「舌の筋力低下」が、実はサルコペニアに密接に関連していることがわかってきた。舌の筋力を鍛えることが、長生きにつながるというのだ。
東京大学・高齢社会総合研究機構教授の飯島勝矢医師を中心とした研究班は、2012年秋より大規模な虚弱予防研究(通称・柏スタディ)を行っている。千葉県柏市に住む健康な65歳以上の男女、2044名が対象で、毎年3カ月かけて追跡調査してきた。
飯島医師が解説する。
「市内14カ所の近隣センターなどに集まってもらい、問診、採血から、膝を伸ばす力や握力といった体力測定に加え、嚥下機能や舌圧といった歯科口腔機能をチェックしてきました。
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source : 週刊文春 2017年2月23日号