がんは日本人の死因1位だが、医療の進歩もあり、乳がんや前立腺がんなど罹患しても「5年生存率」が高いものもある。だが、膵臓がんは別だ。発見した段階で“手遅れ”ということも少なくない。今回はこの難治がんの早期発見に挑む医師たちの取り組みを紹介する。
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昨年9月に国立がん研究センターが「治療開始前にがんがどれだけ進行していたか」というデータを発表した。それによると、膵臓がんはステージIVが43.4%にものぼった。部位別で最悪の数字だ。このがんを早期発見することがいかに困難かということが分かるだろう。
そのため“がんの王様”というありがたくない異名もあり、「難治がん」の代表格とされてきた。
ただ、この膵臓がんを何とか早く見つけようという医師たちの奮励があり、わずかずつだが、光明も見え始めている。今回は膵臓がん早期発見の最先端の取り組みを紹介したい。
まず、膵臓がんはどのような特徴を持つのかおさらいしておこう。
がんは日本人の2人に1人が罹患し、3人に1人が亡くなる病気である。部位別にみると、2014年の死因の1位は肺がん。次いで、大腸がん、胃がん、膵臓がんとなる。膵臓がんは13年にそれまで第4位だった肝臓がんを抜いた。
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source : 週刊文春 2017年1月26日号