食べ物が誤って気道に入って起ると思われがちな誤嚥性肺炎。だが、その7割は当人が気づかぬうちに口内や胃から雑菌が肺に入って起るタイプという。これには喉を鍛えるのではなく、別の対策が必要だ。呼吸器内科と在宅歯科の専門医が簡単にできる対策を教える。
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日本呼吸器学会は今年、肺炎診療のガイドラインを改訂した。その目玉となったのが「肺炎の終末期」の医療対応への言及だ。
終末期というと、通常はがんを想像する。しかし、がん以外でも病気の終末期はある。今回のガイドラインでは、肺炎を繰り返して重症化し、顕著な治療効果が望めない場合、「それ以上の治療をしない」という考え方が盛り込まれたのだ。
肺炎の末期は治療しない、という考え方について、現場の医師はどう考えるのだろう。
「肺炎が重症化し、かつ誤嚥を繰り返す中で余命がわずかと判断された場合、それ以上抗生剤を使い続けることに果たして意味があるのだろうか――という疑問は、呼吸器を専門とする臨床医の多くが持っています。言い換えれば、肺炎はそれだけ深刻な病気ということができるのです」
と語るのは、東京・池袋にある呼吸器内科専門医院・池袋大谷クリニック院長の大谷義夫医師。
肺炎のことを「かぜの延長」程度に考えている人は多い。がんと比べると、どうしても軽く見られがちだが、医学的には同等の“重病”なのだ。
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source : 週刊文春 2017年9月21日号